一昔前まで、薄毛対策といえば育毛剤を頭皮に塗ってブラシでトントン叩く、というイメージがありました。
ですが、現在では薄毛対策にも幅広い選択肢があります。
育毛剤は昔に比べて格段に進化していますし、低出力レーザーを利用した育毛器や育毛サプリメントも人気を集めています。
さらに病院での薄毛治療も一般化してきていて、「薄毛は病院で治せる」という認識も広がってきました。
育毛クリニックで処方される薄毛治療のための内服薬は、処方箋が必要なので普通のドラッグストアでは売っていません。
ですが医薬品ではない育毛サプリメントであれば、処方箋がなくとも購入することができます。
どちらも錠剤を飲むということに変わりはありませんが…。
そもそも薄毛治療のための内服薬と育毛サプリメントは、何が違うのでしょうか??
育毛サプリメントとは何なのか?
まずは、サプリメントとは何かを簡単に説明します。
サプリメント(supplement)とは「補助する」という意味を持っていて、日本語で表記すると「栄養補助食品」となります。
この言葉からわかるように、サプリメントは薬ではなく食品であり、不足しがちな栄養を補助的に摂取するためのものということがわかります。
そう、サプリメントはあくまでも補助。
大量に飲んだからと言ってすっごく健康になることもないし、薄毛が改善して髪の毛が生えてくることもありません。
では、サプリメントは無駄なのかというとそうではありません。
現代人の食生活は、不規則で栄養が偏りがちの傾向にあります。
思い出してみてください。
昨日食べたすべての食事の中で、野菜をどれだけ食べたでしょうか?
摂取カロリーは増えているものの、本当に必要な栄養素は必要な分食べられているかというと、ほとんどの人がそうではないでしょう。
栄養がなくカロリーだけ高いジャンクフードやお菓子、加工された食品やインスタント食品、これらが食生活の中心になることで、私たちは栄養が決定的に不足している可能性があります。
健康な身体を維持するために必要なビタミンやミネラルが不足すると、体内での代謝や生産活動のシステムが正常に機能しなくなります。
もちろん、ちょっとくらい栄養が不足したって「風邪をひきやすくなったな」とか「最近疲れやすいな」くらいの実感しかないでしょう。
ですが、それが長期間続いた場合、様々な悪影響が現れる場合があります。
特に髪の毛や頭皮は、その悪影響を受けやすい場所といわれています。
毛母細胞は人間の全細胞の中でもトップクラスに細胞分裂のスピードが速く、ちょっとした生活環境や食生活の影響を受けやすいとされています。
そんな時にこそ、髪の毛の成長に大切な栄養が詰まった育毛サプリメントが力を発揮します。
育毛サプリメントは育毛に必要不可欠な栄養が厳選して配合されています。もちろん、その内容は商品によって違いますが。
本当に健康的な食生活を送っている人に育毛サプリメントは必要ありません。
育毛サプリメントは栄養バランスが偏りがちの生活を送っている人こそ使うべき「栄養補助食品」です。
多くの薄毛に悩む方たちに育毛サプリメントが人気なのも、現代人の食生活で栄養バランスをとるのが難しいからかもしれませんね。
では次に、薄毛治療のための内服薬とは何なのかを説明します。
薄毛治療のための内服薬とは?
日本では口から摂取する製品はすべて「食品」か「医薬品」に区分されます。
サプリメントは「食品」の一種でした。
薄毛治療のための内服薬は、もちろん「医薬品」に分類されます。
医薬品は厚生労働省が指定した成分が含まれている、病気の治療や予防に効果を発揮するものとなります。
有効成分が病気や症状にダイレクトに働きかけて、その症状を改善させます。
強い効果を持っている分、摂取量によっては副作用が出る場合もあります。そのため、強い効果を持った薬は医師の処方箋がないと手に入れることができなくなっています。
処方箋医薬品:医師の処方箋が必要
第一種医薬品:薬剤師が在籍しているドラッグストアでしか購入できない。
第二種医薬品:一般的なドラッグストアで購入可
第三種医薬品:一般的なドラッグストアで購入可
薄毛治療のための内服薬として一般的なのは、フィナステリドやデュタステリドといった有効成分が配合された医薬品です。
効果が強く、性欲減退などの副作用もあるため、必ず医師の処方箋が必要となっています。医師の指導の下、用法用量を守って服用することが大切です。
これらの医薬品は薄毛を引き起こす原因であるジヒドロテストステロンの生成を抑え、抜け毛を予防し、発毛を促す効果を持っています。
男性の遺伝要素が強い薄毛も、女性の更年期以降の薄毛も、適切な処置をすることでかなりの確率で改善することができると思います。
もし薄毛を治療のための内服薬を試してみたい場合は、育毛クリニックで診察を受けてみましょう。
サプリメントと医薬品の効果まとめ
医薬品とサプリメントの違いについて、凄く一般的な栄養素であるビタミンCについて考えるとわかりやすいかもしれません。
ビタミンCは第三種医薬品として薬局で販売されています。
その効果・効能には下記のような文言が記載されています。
- 肉体疲労時、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時、老年期のビタミンC補給に
- しみ、そばかす、日やけ・かぶれによる色素沈着の緩和
- 歯ぐきからの出血、鼻出血の予防
医薬品に分類されるので効果・効能が明記できるんですね。
対して食品であるサプリメントは、効果・効能が明記できません。(機能性表示食品などの一部の食品は、その機能を表示して販売することが可能です)
では、サプリメントと医薬品の違いをまとめてみます。
サプリメント | 医薬品 | |
購入方法 | ドラッグストアや通販で購入できる | 医師の処方箋が必要なものもある |
効果や効能 | 明記できない | 明記することができる |
副作用 | ほとんどない | 飲み合わせや用法用量を守る必要がある |
使用目的 | 栄養摂取による症状の予防や緩和 | 有効成分による症状の改善 |
使用方法 | 適量を表記する。使用方法を明記できない。 | 医師の指示に従う |
「サプリメントだから無駄!!」とか「医薬品は副作用が怖い!!というわけではなく、それぞれの特徴を踏まえたうえで上手に使うことが大切です。
自分の年齢、体質、生活スタイル、薄毛の症状に合わせて、育毛サプリメントや医薬品を使い分ければ、より効果的に薄毛を改善することができるのではないでしょうか。