イギリスの専門家の研究によると、筋肉を付けすぎると薄毛の原因になることがわかりました。
しかも「筋トレ+プロテイン」がより悪影響を及ぼすとか!!
筋トレファンにはちょっと悲しい事実ですね。
筋トレをやりすぎて薄毛にならないためにも、その研究内容をお伝えします。
目次
筋トレ+プロテインのデメリットとは!?
昨今の筋トレブームでジム通いを始めた男性も多いはずだ。
結果にコミットするタイプのダイエット法も体を鍛えるメニューが用意されているが、筋肉トレーニングと髪の量は悲しいことに反比例する傾向にあるという。
専門家によれば、ジムでウェイトリフティングをすることが生え際の後退を後押ししているそうだ。
しかも、それはプロテイン飲料を摂取することでさらに加速するという。
参照元:筋肉?髪の毛?さあ究極の選択だ。筋肉トレーニングとプロテイン飲料が薄毛を加速させる可能性(カラパイア)
ジムなどで本格的に筋トレをしている方の中には、トレーニングの後に筋肉増強効果のあるプロテイン(たんぱく質)を愛飲している人も多いでしょう。
その筋トレ後のプロテインが、薄毛を引き起こす原因になるようです。
でも、なぜプロテインが薄毛の原因になるのでしょうか?
良質のたんぱく質は髪の毛の原料にもなりますし、抜け毛の原因になるとは思えませんが…。
まずはなぜ筋トレを行うと筋肉が増強するのか、そのメカニズムを簡単に説明します。
トレーニングで筋肉に過剰な負荷をかけると、筋繊維が断裂し傷つきます。
筋トレで筋肉が増えるのは、傷ついた筋肉繊維が回復する際に、前よりも強く大きく筋肉細胞を増強させるからです。
これを超回復と呼びます。
超回復で筋肉を強くするためには、筋肉細胞の原料となる良質のたんぱく質が必要不可欠。
そのため、筋肉量を増やしたいスポーツ選手やボティビルダーは、筋トレの後に欠かさずプロテインを摂取します。(プロテインは筋肉増強を目的とした、たんぱく質が主成分の栄養補助食品です)
問題は、多くのプロテインに筋肉増強をサポートするため、成長ホルモンの一種であるクレアチンやDHEAといった成分が配合されているってこと。
このプロテイン飲料に含まれるクレアチンやDHEAといった成長ホルモンが、血中テストステロンの濃度まで上げてしまう。
血中のテストステロン量が増加すると、脱毛を引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)の量も増えてしまうわけです。
テストステロンが血管を通して毛乳頭細胞に運ばれると、こそにある5α-リダクターゼという酵素と結合してジヒドロテストステロンに変化します。
この発生したジヒドロテストステロンの影響によって、髪の毛は次第に細く、柔らかくなり、薄毛やハゲの原因になってしまうのです。
筋肉は体内で男性ホルモン(テストステロン)の量を増やす効果があります。
だからこそ、筋肉量が多い男性はより男らしく、やる気や活力がみなぎるわけです。
ですが、筋肉量が多いってことは血液中のテストステロンの量も多くなりますし、その結果、脱毛を引き起こすジヒドロテストステロンの量も増えることに繋がります。
さらにプロテインを愛飲していたとしたら、プロテインに含まれる成長ホルモンもテストステロンの量を増やす一因になるということに!
もし薄毛が気になるのなら、筋トレ後のプロテインの摂りすぎには注意したいですね。
筋肉をつける効果のない有酸素運動であれば、運動後にプロテインを飲んでもまったく問題ないでしょう。
注意ポイント
①筋肉量が多いとテストステロンの量が増え、ジヒドロテストステロンも増える
②プロテインにはクレアチンやDHEAといった成長ホルモンが含まれていてジヒドロテストステロンの量を増やす一因となる
男性ホルモンは男性にとって大切な役割を持つ
薄毛を引き起こす原因と思われがちな男性ホルモンですが、実際はそんなに悪者でもありません。
男性ホルモンのテストステロンが薄毛の原因になるのではなく、テストステロンによってつくられたジヒドロテストステロン(DHT)が薄毛の直接的原因になるからです。
テストステロンと頭皮にある5αリダクターゼという酵素が反応することで、脱毛の原因になるジヒドロテストステロンが発生します。
もしテストステロンが過剰だったとしても、体質的に5αリダクターゼが少なければ、ジヒドロテストステロンは発生しません。
男性ホルモンが増えたからといって、必ずしも薄毛になるとは限らないのです。
5αリダクターゼの量は遺伝の影響が強いといわれています。
もし家族に薄毛が多く、遺伝的に薄毛になりやすいとしたら…筋トレ+プロテインは止めておいた方が良いかもしれませんね。
プロテインでハゲる!?その真相
「プロテインを摂取しすぎるとハゲる!!」そんな噂があります。
先ほど紹介した研究によると、多くのプロテインには筋肉増強をサポートするために成長ホルモンの一種が含まれており、それが薄毛リスクを上げてしまう可能性もあるようです。
とはいえ、プロテインが薄毛を引き起こすことはあまり考えられません。
なぜならプロテインはただの栄養補助食品であり、牛乳や大豆製品由来のたんぱく質に過ぎないから。
筋肉増強効果があるといっても、ステロイド剤のような特別な薬物のようにスゴイ作用はありません。
「プロテインでハゲる」そんな噂の根拠として、プロテインと筋肉や身体に負担をかける筋肉増強剤(アナボリックステロイド)をごっちゃにしていることが挙げられるでしょう。
(ステロイドをたくさん使ったオリンピック選手とかは、短命であることが多いとか。心臓にも負担をかけますし、抜け毛の原因にもなります)
さらにもうひとつ、プロテイン・ユーザーがハゲになりやすい原因があります。
それはプロテインを愛飲している人たちは、栄養バランスが極端すぎるってこと。
その栄養バランスの乱れが薄毛を引き起こしている可能性も考えられます。
極端に炭水化物を制限していたり、食べる量や種類が偏っていたり、とにかくやりすぎな食生活なのです。
私の友人の筋トレマニアはとてつもなくストイックな性格で、ある種のプロテインや、オートミール、鳥のササミやブロッコリーなどを使った特定の食材しか食べていません。
「食事じゃない。エサだ!」
と言って悦に入っています。
筋肉にとっては完璧な食事なのかもしれませんが、身体全体を考えたとき、それが正解なのかは何とも言えませんね。(ちなみにその彼はちょっと薄毛になりつつあります…)
プロテインでハゲることはありません。
ですが、プロテインに含まれる成長ホルモンや、栄養バランスの悪い食生活は、十分に薄毛の原因になるでしょう。
肉や魚、大豆製品に含まれる良質のたんぱく質は、新しい髪の毛を作り出すのになくてはならない栄養素。
というのも、髪の毛はケラチンというたんぱく質の一種でできており、たんぱく質の摂取量が減ってしまうと髪は細く、抜けやすくなってしまうから。
極端なダイエットをしている女性の髪の毛がガサガサで枝毛ばかりになるのも、たんぱく質が圧倒的に不足してるからです。
太くてツヤのある健康な髪の毛を維持するには、たんぱく質を積極的に食べるのたとても大切です。
筋トレの後にプロテインを摂取するのも大切ですが、摂取のし過ぎもまた問題。
たまには天然のプロテイン(たんぱく質)を食事から摂るのも大事なのではないでしょうか。
オキシポロン(筋肉増強剤)を使うと抜け毛が増える
筋肉命のマニアの中には、プロテインだけでは飽き足らず、オキシポロンなどのアナボリックステロイドを使用している方もいるかもしれません。
オキシポロンという商品が有名ですね。
先ほどの話のも出てきましたが、こういったアナボリックステロイドは抜け毛を増やす原因になります。
アナボリックステロイド(筋肉増強剤)はタンパク質から筋肉を作り出すサポートをしてくれ、短期間で筋肉を大きく肥大させることができます。
これ、ドーピング薬物の一種で、プロスポーツ選手は使ってはいけないけっこう危険なシロモノ。
たしかに筋肉は増えますが、危険な副作用のリスクもあります。
- 肝障害
- 肝臓癌
- 前立腺癌
- 高コレステロール血症
- 高血圧症
- 心筋梗塞
- 糖尿病
- 睡眠時無呼吸症候群
- 性腺刺激ホルモン分泌低下性性機能低下症
- 体液性免疫異常
- ニキビ
- 筋断裂
- 毛髪の消失
安易にオキシポロンなどの筋肉増強剤を使うと、抜け毛が増えて薄毛になってしまうかもしれません。
また、アナボリックステロイドを使い続けると、本来持っている「男性ホルモンを分泌する機能」が低下し、”女性化”してしまうこともあります。
声が高くなったり、乳房が大きくなったり…。
女性の場合は逆に、強力なアンドロゲン作用で男性化してしまうこともあります。
いくら筋肉を増やしたいからといってもこういったアンドロゲン作用の強いものを安易に使うのは止めた方がいいでしょう。
健康のためにも、髪の毛のためにも。
ハゲずに筋トレを楽しむ方法
筋肉は体内のテストステロンの量を増やします。
たしかにボディビルダーのようなムキムキの筋肉を手に入れたとしたら、普通の人よりも男性ホルモンがたくさん分泌されていると考えられます。
それが薄毛の原因になる可能性もありますが、普通に筋肉をつけるくらいであれば、まったく問題ないでしょう。
抜け毛を引き起こすのはテストステロンではなく、テストステロンが頭皮で変化した「ジヒドロテストステロン」という物質。
テストステロンの量が増えたとしても、必ずしもジヒドロテストステロンの量が増えるとは限りません。
筋肉をつけたいのなら、抜け毛を心配せず、思う存分筋肉を苛め抜いてください。
男性ホルモンは薄毛の原因になる悪者ではありません。
男性ホルモンはやる気・判断力・決断力をパワーアップしてくれます。たくましい骨や筋肉を作る効果もあります。男性的な魅力の元なのです。
(女性の場合は、筋肉を付けすぎると”女性らしさ”が減ってしまう原因になりますが…)
逆に中高年になって男性ホルモンの分泌が減ってしまうと、鬱ややる気の低下を引き起こします。これが男性の更年期障害です。
男性ホルモンは健康な生活を送るために必要不可欠。むしろメタボリックな体型の方が、遥かに薄毛の原因になる可能性があります。
筋肉の付けすぎで薄毛になる心配は、まったく気にする必要はないと思います。
ハードな筋トレの後に摂取するプロテインについても、クレアチンやDHEAが配合されていないものを選べば大丈夫。
最初に紹介した記事で指摘していたのは、あくまでも「海外製のプロテイン」のこと。
国内の有名なプロテインであれば、比較的安全に証できるでしょう。
もちろん、大豆製品や肉などの食べ物でたんぱく質を摂取するのもオススメです。
また、マラソンなどの長時間に及ぶ有酸素運動は、体内のテストステロンを低下させるため、筋トレと有酸素運動をバランスよく行うのもオススメです。
薄毛予防のための筋トレのポイント
- 薄毛リスクを考えるのなら、たんぱく質は食事から摂取するのがオススメ。
- 筋肉を付けすぎたからといって、薄毛リスクが極端に上がることはない。
- プロテインを使うのならクレアチンやDHEAが含まれていないものを選ぶ
- 有酸素運動も適度に行う
以上を心がければ、筋トレしようが、プロテインを飲もうが、それが原因で抜け毛が増えることもないでしょう。
*育毛効果のあるプロテインもあります。→スカルプD サプリメントAGAプロテインの効果とは?その成分や使い方を紹介。