以前「2018年に資生堂の自家細胞移植が世界の薄毛をなくす!?」という記事で、東京医科大と資生堂が行った育毛の最新研究を紹介しました。
自家細胞移植とは薄毛患者の頭皮から「部毛根鞘細胞」を採取し、その細胞を培養、増やした細胞を頭皮に戻して薄毛を治療する移植技術のことです。
資生堂がついに、自家毛髪培養細胞を用いた育毛の有効性や安全性を検証する臨床試験を開始。
自家細胞移植の内容
今回の臨床実験はどのような手順を紹介します。
まず病院で被験者の後頭部から頭皮の一部を採取します。
その後、資生堂でその頭皮から毛球部毛根鞘しょう細胞を採取して培養します。
それを再び病院に戻して、細胞を採取した被験者本人の薄毛部位に注入します。
ひととおり自家細胞移植を実際に行い、有効性や安全性を検証するんですね。
では、このような技術にはどのような利点があるのでしょうか?
自家細胞移植のメリット
自分自身の細胞を利用した「時価細胞移植」には様々なメリットがあります。
①自分の細胞を移植するので拒絶反応が出ない。
②必要な細胞もごくわずか採取するだけでOK!
③たった1度の治療で、継続して効果が出る
④薬のような副作用が出ない
⑤男女ともに利用できる
薄毛治療薬として有名なプロペシア(フィナステリド)は女性は服用することができません。
たとえ男性でも育毛効果のあるプロペシアやザガーロを服用することで、性欲減退などの副作用が発生することがあります。
その点、自家細胞移植であれば、そういった副作用が出るリスクはありません。
今まで女性であったり、薬が体質的に合わなかった人たちにとっても有効な選択肢になるでしょう。
自毛植毛による薄毛治療も、「髪の生えている部位から薄毛部位に毛包を移植する」という意味では、自家細胞移植と似ています。
ですが、薄毛が広範囲に及ぶ場合は自毛植毛を行うことができません。自分の髪の生えている場所にも限界があるからです。
その点、自分の細胞を培養して増やすのであれば、広範囲の薄毛を治療するのにも適しているのではないでしょうか。
臨床実験の対象者は?
今回の臨床実験は、東京医科大学大学病院や東邦大学医療センターの患者である男女60人を対象に行われます。治験で一般人から被験者を募集することはないようです。
今回の臨床実験は、頭皮から細胞を採取して培養、その後患者に移植するところまで行われます。
2018年くらいには実用化を目指しているらしいですが、臨床実験でその効果や安全性が証明されれば、広く一般に普及するのも近いかもしれませんね。
自分の細胞を培養して薄毛部分に戻せば、継続して髪の毛が生えてくる可能性があります。
毎日育毛剤を塗布したりする必要がなくなるんですね。
近い将来、薄毛治療がもっと安全で身近になるかもしれません!!