低出力レーザーを利用した治療行為といえば、シミやシワとケアする美容関係が思い浮かびます。ですが、実は低出力レーザーは”薄毛治療”にも広く活用されています。
赤色の低出力レーザーを脱毛部位に照射すると、毛包を刺激して毛母細胞の増殖を促進させることができるのです。
しかしこのレーザーを使った薄毛治療は、発毛効果は高いものの、専用の育毛機器を利用しなければなりません。
そこで研究者が、専門の器具を使わずに薄毛治療を行うため、切手サイズのLEDを搭載した光刺激装置を開発しました。
この光刺激装置を脱毛した部位にペタッと張っておけば、それだけで装置から毛根へレーザーが照射され、発毛につながるというわけですね。
なんとも画期的な薄毛治療装置です!
今回はその研究の内容について紹介します。
切手サイズの”発毛チップ”が開発される!?
薄毛や脱毛は、ストレスや不安の原因になります。
いくつかの研究では、レーザーで頭皮を刺激することは髪の成長を助けることが示されていますが、装置はしばしば大きく、エネルギーを多く消費し、日常生活では使いづらいというデメリットがありました。
現在、研究者はマウスの体毛の成長を促進する、柔軟で着脱可能な光刺激装置を開発しました。
参照元:A wearable device for regrowing hair(サイエンスデイリー)
研究者のチームは切手より少し小さいくらいの超小型チップに、たくさんのマイクロLEDを装着させた光刺激装置を開発しました。
「赤色LEDの発毛効果で、頭皮のコラーゲンが増える!低出力レーザーが育毛に効く理由。」という記事でも詳しく紹介しましたが、低出力レーザーや赤色LEDに含まれる”赤色の波長”には毛母細胞を刺激する特別な作用があります。
ですが、自宅で低出力レーザーを利用した薄毛治療を行うには、専用の育毛機器を購入する必要があります。
それらの機器の多くはヘルメット形状になっていて、被ることで育毛効果を得ることができます。
消費電力は大したことはありませんが、確かに大きいですし、保管に場所を取ります。
使っているところを誰かに見られるのも嫌ですね。
低出力レーザー育毛器「ヘアマックス」の使用中画像。家族には見られたくないかも…
もし今回開発された極薄の光刺激装置が実用化されたら、もっと手軽に、いつでも育毛治療を行えるでしょう。
寝る前に頭皮の気になる部分に張ったり、テレビを観ながら使ったり、とても楽ですね。
マウスを使った実験の結果
では次に、極薄光刺激装置をマウスに使った実験の結果を紹介します。
脱毛した3匹のマウス。
左は何も治療していないマウス。
真ん中が赤い丸の部分に極薄光刺激装置を張り付けたマウス。
右が発毛効果のあるミノキシジルを注射したマウス。
上記の画像は、真ん中のマウスに極薄光刺激装置を20日間、1日15分使用した後の結果です。
鞭量のマウスはもちろん、明らかにミノキシジルを使うよりも発毛が促進されています。
実験の結果、赤色LEDによる刺激によって、他の脱毛マウスよりも優位に早い発毛、より広い脱毛の改善がみられました。
このマイクロチップがあれば、気になる部分にピンポイントで発毛できますし、とっても便利そうですね。
今のところは低出力レーザー育毛器を利用しましょう
とても便利そうな切手タイプの光刺激装置ですが、まだまだ実用化には時間がかかりそうです。
ちょっと大きくて不便かもしれませんが、今のところは家庭用の低出力レーザー育毛器かLED照射機器を利用するしかないでしょう。
家庭用の低出力レーザー育毛器は一般的な電化製品売り場では取り扱っておらず、ネット通販で購入できます。
日本ではまだまだ普及しておらず機種は少ないですが、あのアデランスも赤色LEDを利用した育毛機器を販売しています。
販売価格はだいたい1台10~15万円程度。
ちょっと高額に感じますが、それでも何年も使い続けることを想定すれば、育毛剤を使い続けるよりも割安だと考えられます。
マウスの実験でもわかるように、レーザーの刺激は発毛を促す強力なシグナルとなります。
今回紹介した実験はマウスだけのものですが、人間を使った臨床試験でもその発毛効果は確認されています。
育毛剤やミノキシジル配合の発毛剤、スカルプシャンプーなどで納得のいく発毛効果が得られていないのであれば、低出力レーザーを使った発毛を試してみてはいかがでしょうか。
オススメの家庭用の低出力レーザー育毛器やその効果の臨床試験については、下記の記事で紹介しています。ぜひとも参考にしてみてください。
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