「毛包の大量培養とマウスへの移植に成功した!!」というニュースが飛び込んできました。毛包ってのは頭皮にある、髪の毛を作りだす工場のような器官です。
この研究発表を行ったのは横浜国立大学の研究員。
どういった研究発表がなされたのでしょうか?
毛包の大量培養と移植成功!
横浜国立大学の福田淳二准教授と景山達斗特別研究員らは、毛髪を生み出す「毛包」と呼ぶ器官を大量に再生する実験にマウスの細胞で成功した。毛の生え替わりにかかわる2種類の幹細胞を混ぜて、培養皿に幾つも設けた小さなくぼみの底で数日かけて毛包に似た器官に育てた。数百個単位をまとめて作れ、ヒトに応用できれば脱毛症の再生医療に道を開く。
出展:横浜国大、毛を生む器官を大量培養 脱毛症の再生医療に道 (日本経済新聞)
横浜国立大学の実験によると、髪の毛の工場である「毛包」の大量培養に成功したとのことです。以前より毛包のひとつを培養することは出来たようなのですが、今回は一気に大量の毛包を培養し、マウスへの移植に成功したとの事。
大きな進歩ですね。
培養した毛包を注射でもってマウスの皮膚に注入したところ、しっかりと新しい毛が生えてきました。
今のところマウスでの実験に成功しただけのようですが、このまま技術が進化すれば人間の薄毛治療にも応用できるのではないかと期待されています。
毛包の仕組み
今回培養と移植に成功した毛包ですが、毛包というのは髪の毛を作りだす工場のような器官です。
毛包の中心部には”毛乳頭”があり、その毛乳頭を包むような形で”毛母体”が存在します。毛母体で毛母細胞が分裂を繰り返すことで、新しい髪の毛が作られるのです。
これらの発毛システムを丸ごと大量に培養して、それを移植することができるんだから凄いですよね。
実用化されたとしたら、自分の毛包を採取して培養した後、培養されたたくさんの毛包を自分自身の薄毛部分に移植って手順ですね。自分の毛包を使っているので、拒絶反応が起こることもありません。
これからiPS細胞を使った再生医療の時代になって来ると思いますが、薄毛治療の分野でもこの様な再生医療が新風を巻き起こしそうですね。
*横浜国立大学の研究チームの最新研究では、マックのフライドポテトと育毛に関係が…!?
まとめ
横浜国立大学では医学関連の研究者と共同で、3年以内の臨床研究を目指すとのこと。
もし人間に対しても毛包の培養と移植が可能になれば、世の中からハゲがいなくなるかもしれません。
臨床実験や治験、厚生労働省の承認等の手順を考えると、まだまだ先の事かもしれませんが、はやく実用化して欲しいですね。
もし手軽に試せるほど安価に普及したとしたら、もう育毛剤や自毛植毛、育毛クリニックは存在する意味が無くなります。アマゾンによって駆逐された本屋さんのように。
大手かつらメーカーや育毛剤メーカーなど、戦々恐々の思いなのではないでしょうか。
薄毛を含めたヘアケア業界の市場規模は、1年間で4000億円以上と言われています。この巨額の資金が流入する先に大きな変化があるかもしれないのです。
…毛包培養の研究に既得権益からの妨害工作があったりして。
ともあれ、こういった様々な薄毛治療が開発され、ユーザーの選択肢が広がるのは良い事ではないでしょうか。