「肌に優しそう」
「普通の科学的な洗浄成分の配合されたシャンプーよりも薄毛を予防できそう」
そんな理由から”石鹸シャンプー”を使い始めたのだけれど…
「3年使い続けたけど、前よりも髪が細くなってきた」
「石鹸シャンプーを使ってから頭頂部が薄くなってきた気がする」
そんな意見がネット上で散見されます。
頭皮に優しいはずの石鹸シャンプーを使っているのになぜ!!?
石鹸シャンプーを使い続けると髪が細くなったり、薄くなったりする原因や、正しい使い方を紹介します。
石鹸シャンプーで髪が細くなり抜け毛が多くなる理由
石鹸シャンプーというのは、せっけん成分が主体のシャンプーのこと。なかには固形石鹸を泡立てて洗髪している方もいますが、これもまた石鹸シャンプーといえます。
そんな石鹸シャンプーは合成シャンプーよりも洗浄力がまろやかで肌に優しい…そんなイメージを持っている方も多いでしょう。
実際はまったく逆。
石鹸シャンプーは合成シャンプーよりも圧倒的に洗浄力が強く、肌への刺激も強いです。
その理由は石鹸シャンプーがアルカリ性だから。
頭皮の表面は弱酸性の環境です。
CMで流れているような、いわゆる「頭皮に優しい合成シャンプー」が全部”弱酸性”を前面に出してアピールしているのは、頭皮と同じ弱酸性で刺激が少ないから。
(ただし弱酸性のシャンプーは洗浄力が弱い傾向にあります)
アルカリ性の石鹸シャンプーは洗浄力が強く、頭皮の皮脂をガッツリと取り除くことができます。
頭皮に皮脂がまったくなくなるとどうなるか?
皮脂というのは「頭皮をゴミや乾燥から守る」というかなり大切な役割を担っています。
頭皮は乾燥して皮脂が不足すると、紫外線などからダメージを受けやすくなってしまいます。紫外線のダメージは頭皮を固くしてしまい、健康な髪が育たなくなってしまいます。
頭皮の乾燥も危険ですが、皮脂が不足した状態が続くと、逆に頭皮を守るために皮脂の分泌が増えることもあります。
すると、毎日石鹸シャンプーを使って皮脂を上がり流しているのに、逆に皮脂が増えてベタついた頭皮環境になってしまうこともあります。
増えすぎた皮脂は酸化してしまい、頭皮の炎症を引き起こします。
また、石鹸シャンプーを使ったことがある方ならわかると思いますが、石鹸シャンプーを使うと髪の毛がギシギシときしみます。
この理由も石鹸シャンプーのアルカリが髪の毛の表面に作用して、キューティクルが開いた状態になっているから。この状態では髪の毛がダメージを受けやすく、放置しておくと枝毛や切れ毛の原因になります。
髪の毛が細くなってしまう一因ともなるでしょう。
石鹸シャンプーを使った後は、速やかにリンスを使って”きしみ”を取る必要がありますね。
頭皮に残る「石鹸カス」の存在も見逃すことはできません。
洗面台の石鹸置き場、お風呂で石鹸を置いている周辺には、白くてガンコな”石鹸カス”がこびりついていますよね。
これは石鹸成分と水道のミネラル分が反応して出来上がるものや、純粋に石鹸のカスが固まってできたもの。
石鹸シャンプーを使ったあとも、よくすすがないと同じように頭皮に石鹸カスが残ってしまいます。
これらの石鹸カスは毛穴を詰まらせたり、頭皮の炎症の原因になったりと、頭皮環境を悪化させる原因になります。
石鹸カスを取り除くためにもシャンプーの後にはよ~~~くすすぐ必要があるのですが、石鹸でギシギシになった髪の毛や頭皮を丁寧に、やさしく洗い流すのは至難の業。
よほどの洗髪技術がない限り、頭皮や髪の毛にダメージを与えてしまうでしょう。
①強い洗浄力で皮脂を根こそぎ取り除いてしまう
②アルカリ性が髪の毛へのダメージとなる
③よく洗浄しても石鹸カスがのこる
これらが、石鹸シャンプーで薄毛になる原因です。
特に敏感肌の方は、頭皮に優しい弱酸性のシャンプーの方がオススメですね。
石鹸シャンプーで薄毛にならないための5つのポイント
普通の合成シャンプーよりも洗浄力が強く、取り扱いが難しい石鹸シャンプー。
その上手な使い方を紹介します。
①しっかりとブラッシングする
石鹸シャンプーを使うと髪がきしみやすくなるので、それを防ぐためにもしっかりとブラッシングします。髪の絡まりが改善され、表面の汚れも落ちます。
②お湯で予洗いをしっかりと
実際に石鹸シャンプーを使う前に、お湯だけでしっかりと髪や頭皮を洗います。お湯だけで7~8割程度の汚れは落ちます。
ここでしっかりと汚れを落とすことで、石鹸シャンプーの効果を高めることができます。
③頭皮は擦らずやさしく洗う
ただでさえ洗浄力が強い石鹸シャンプーなので、頭皮は擦らずにソフトタッチでやさしく洗いましょう。
「これで汚れ落ちてるかな?」くらいの力の入れ具合で十分です。
④なるべくサッと短時間で
アルカリ性の石鹸シャンプーは頭皮の表面を少しずつ溶かしていきます。汚れは落ちますが、あまりにも長時間その状態でいると、皮膚が傷つき、ヒリヒリしてきます。
石鹸シャンプーが頭皮に付着している時間はなるべく短い方がいいでしょう。短時間で頭皮全体を丁寧に洗う技術が必要ですね。
⑤リンスをした後にしっかりすすぐ
石鹸シャンプーで先発した後、サッと泡や汚れをシャワーであらいながしたらすぐにリンスを塗布しましょう。
リンスを使わないギシギシの状態ですすいでいたら、髪の毛がダメージを受け続けてしまいます。
以上が石鹸シャンプーを使う際の5つのポイントです。
石鹸シャンプーを何も考えずに普通に使っていると、頭皮や髪の毛が痛む原因になるので注意しましょう。
オススメ記事:シャンプーの詰め替えが薄毛・ハゲの原因に!正しい方法で詰め替える方法と危険な理由。
頭皮や髪の毛のためにあえて石鹸シャンプーを使う必要はない
石鹸シャンプーは洗浄力が強く、汚れをしっかり洗い流すことができるのが大きなメリットです。
そんなメリットをもつ石鹸シャンプーで抜け毛が増えるかどうかは、結局のところその人の体質や肌の環境に左右されます。
石鹸シャンプーを使ってもまったく問題ない、そんな人も多くいるでしょう。
個人的にはあえて”髪や頭皮のために”あえて石鹸シャンプーを使う必要はないと考えています。
今は刺激が少なく、安全で、しっかりと汚れが落ちるスカルプシャンプーもたくさん販売されています。
石鹸シャンプーが自分にあっているかどうかは、結局のところ実際に使ってみて判断するしかないようです。
ですが、特にこだわりがないのなら、あえて石鹸シャンプーを使う必要もないと思います。
石鹸シャンプーは扱いが難しいですしね。
もし薄毛予防のためにいいシャンプーを探しているのなら、ちゃんと頭皮のことを考えて作られたスカルプシャンプーがオススメ。
質の良いスカルプシャンプーの中から良さそうなのを1本選んで使ってみましょう。
赤みのさしていた頭皮。
細くなってきた髪の毛。
そんな悩みが半年、1年後には改善に向かっているかもしれませんよ。