AGA(男性型脱毛症)に有効な薬にフィナステリドがあります。
フィナステリドは頭皮で発生する脱毛ホルモンの「ジヒドロテストステロン」生成を抑えて、薄毛の予防と育毛の効果があります。
同様の効果を持つ薬剤として「デュタステリド」が注目されています。
デュタステリドとは?
もともとフィナステリドは前立腺肥大の治療薬として開発されました。その副作用に何故か「髪が生える」という効果が認められ、育毛の薬として使用されるに至っています。
デュタステリドも同様に前立腺がんや前立腺肥大の治療薬のひとつです。
効果もフィナステリドと同様に、男性ホルモンと5αリダクターゼの活動を阻害し、ジヒドロテストステロンの生成を抑えるものです。
ただし、デュタステリドの方が効果が凄いようです。
フィナステリドとデュタステリドを比べた実験
「Journal of the American Academy of Dermatology」の記事によると、フィナステリドとデュタステリドの効果を調べる為、917人の20歳~50歳のAGA男性を対象とした研究が行われました。
合計で、917人の男性がランダム化された。
デュタステリド0.5mgは、治療24週後で、フィナステリドに比べて径2.54cm以上の毛髪の数(P=0.03)と太さ(P=0.004)を増やし、毛髪の成長を改善し(P=0.002)、偽薬と比べても同様だった(すべてP<0.001)。有害事象の数と重症度はすべての治療群で類似していた。
参照元:Journal of the American Academy of Dermatology
つまり、育毛効果はデュタステリドの方が遥かに高いという結果になりました。
デュナステリドはフィナステリドの作用しない1型5-α還元酵素をも阻害する上、2型5-α還元酵素もフィナステリドの三倍阻害するなど、作用が強く、日米共に前立腺肥大症の治療薬のとしてのみ認可されている
参照元:Wikipedia「フィナステリド」より
つまり、日本ばかりかアメリカでも、デュタステリドは前立腺肥大症の治療薬としてしか使われていません。現在は薄毛の治療薬として認可されていないという事ですね。
*追記:現在でデュタステリドは男性型脱毛症の治療薬として承認されています。「ザガーロ」「アボダート」といった商品名で販売されています。
デュタステリドの副作用
強力な発毛作用があるデュタステリドですが、その副作用はどういったものなのでしょうか?
デュタステリドの副作用は、フィナステリドと類似しています。このふたつはどちらも前立腺肥大の治療薬という一面があり、効果と同様に副作用も似ているのでしょう。
- 勃起機能不全
- 射精障害
- 精液量減少
- 肥満
- 倦怠感
- 鬱
- 気分障害
- 肝機能障害
こういった副作用の可能性が考えられます。もちろん、服用する量を適正にすれば大丈夫でしょうが。
フィナステリドの副作用についてはこちらの記事に詳しく書いています→フィナステリド内服の副作用や後遺症についてと、それを防ぐための方法
まだまだ安全性に問題はあるかもしれませんが、もしデュナステリドを使った薄毛治療薬が開発されたとしたら、きっと凄い育毛効果を発揮するかもしれませんね。