薄毛には様々な原因がります。遺伝や生活習慣、食生活などなど。
発毛の為に食生活が重要なのは周知の事実。
タンパク質、ビタミン、ミネラルなどなど、いろんな栄養素をバランスよく摂取することが薄毛を予防します。
そんな中にあって、過剰摂取で逆に薄毛になる栄養素があります。
その代表がビタミンAです。
その理由とは何なのでしょうか?
脂溶性のビタミンAが危険!?
ビタミンと呼ばれる栄養素には、「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」の2種類が存在します。
その名のとおり、水溶性ビタミンは水に溶ける性質を持ち、脂溶性ビタミンは油に溶ける性質を持っています。
ビタミンCやビタミンBは水溶性ビタミンに分類されます。水溶性ビタミンの特徴は、体内に摂取しても必要分以外はすぐにおしっこになって体外に排出される点。
一時に多量に摂取しても、摂取しきれない分はすぐに体外に排出されてしまい、意味がありません。ですが、これはどれだけ摂取しても、すぐに体外に排出されるため安全という側面もあります。
ですが脂溶性ビタミンは違います。
脂溶性ビタミンは体外に排出されにくく、過剰に摂取すると身体に害を及ぼす可能性があります。
水溶性ビタミンにはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどが挙げられます。
その中でも特に注意したいのがビタミンAの過剰摂取です。
ビタミンAの作用と過剰障害
ビタミンAは身体を健康に保つために重要な役割を持っています。
- 視力を正常に保つ
- 皮膚や髪の毛を健康に保つ
- 免疫機能を正常に保つ
- 抗酸化作用で若さを保つ
- 心臓病の抑制や予防効果
- 肝臓がんなどの予防効果もある
これらを見るだけでも、ビタミンAが絶対に不足してはいけない大切な栄養素であることがわかります。
一方で、脂溶性ビタミンであるビタミンAを過剰に摂取すると、肝臓に蓄積されてしまい、さまざまな悪影響が現れる可能性があります。
ビタミンAの過剰障害
- 脱毛
- 脳圧亢進
- 激しい頭痛(おもに後頭部)
- 骨・四肢の痛み
- 不安、易刺激性(不機嫌)
- 吐き気や嘔吐
- 肝機能障害
- 疲労感
- 奇形の発生
- 食欲不振
- 発疹
- 下痢
- 睡眠障害
- 皮膚の荒れ、かゆみ、色素沈着
- めまい
- 鼻血
出展:ウィキペディア「ビタミンA」より
ビタミンAの摂り過ぎは、頭痛や吐き気、疲労感などの弊害が出ると共に薄毛の原因にもなり得ます。
抜け毛が増るなんて…怖いですね。
薄毛にならずにビタミンAを摂取する方法
ビタミンAの1日の摂取目安は成人男性で850~900μg、成人女性で650~700μgとなります。(µgはマイクログラムです)
1日の許容上限摂取量は成人男性も成人女性も2700µgほどです。
これはあくまでも目安なので、過剰障害を引き起こすにはもっとたくさんの量を習慣的に摂取しなければならないでしょう。
ビタミンAはレバー類、あんこうの肝、人参などの緑黄色野菜に多く含まれています。
このビタミンAですが、実は2種類あります。
レバーなどの動物性食品に含まれる「レチノール」と、人参などの野菜に含まれている「ベータカロチン」です。
特に注意したいのがレチノールの取り過ぎ。
レチノールは取り過ぎると肝臓に負担をかけてしまい、先ほど紹介したいろいろな弊害を引き起こす可能性があります。
例えば焼き鳥の鶏レバーは串1本で4,200µgものビタミンAが含まれているので、たった1本食べただけでも1日の摂取許容量を超えてしまう可能性があります。
レバーには鉄分などの良い栄養素がたくさん含まれていますが、食べすぎには注意したいところですね。
逆にベータカロチンは食べ過ぎても安全なビタミンAと言えます。
ベータカロチンは腸で吸収される過程でレチノールに変化します。そのためベータカロチンのことを”プロビタミンA”なんて呼ぶこともあります。
このベータカロチンの良いところは、取り過ぎても必要な分だけがレチノールに変化するってところ。そのため、動物性食品のビタミンAよりも内臓に負担をかけないビタミンということになります。
とはいえ、ベータカロチンだけ取っていればいいというわけではありません。
栄養素はバランスが重要。
ビタミンAも動物性のレチノールと植物性のベータカロチンを1:1の割合で摂取するのがよいとされています。
いろいろとビタミンAの弊害を紹介しましたが、実際のところ、普段の食生活の中ではあまり気にしなくてOKです。1日や2日くらいビタミンAの制限を超えて過剰摂取しても障害の危険はほぼないと思います。もちろん、毎日鶏レバーを食べるのは止めた方がいいですが…
特別に気を付けて欲しいのは、ビタミンAのたくさん入ったサプリメントを服用している方。
サプリメントは手軽に栄養が摂取できるのですが、普段の食生活ではありえない量の栄養素を摂取してしまう可能性もあります。
もしかしたら、過剰摂取になっているかもしれません。健康のため、薄毛にならないためにも気を付けた方がいいですね。