突然、頭髪の一部分が抜けてしまう10円ハゲの事を「円形脱毛症」と呼びます。
円形脱毛症は、実は誰しもが突然発症してしまうかも知れない病気のひとつ。
意外かもしれませんが、特に大人よりも子どもに多いのが特徴です。
「円形脱毛症の原因はストレス!」なんて間違った知識が広まっていますが、実はストレスが直接の原因ではないことが多いといわれています。
円形脱毛症の”本当の原因”とはなんなのでしょうか?
円形脱毛症を治療するために知っておきたい基礎知識や、原因と対策を紹介します。
円形脱毛症の基礎知識と原因
円形脱毛症は頭髪の一部分が丸くクッキリと脱毛して、いわゆる”10円ハゲ”が出来てしまうれっきとした病気です。
実はそれほど珍しい病気ではなく、誰にでも出来る可能性があるもの。
人口の0.1~0.2%くらいの発症確率とされるので、1,000人に1人か2人くらいは円形脱毛症の人はいるってことになります。
円形脱毛症は、おでこや頭頂部から薄くなる”男性型脱毛症”や、全体的に薄毛になる”びまん性脱毛症”とは、そのハゲ方がまったく違います。
頭髪の一部分が、くっきりと脱毛してしまうのが特徴ですね。
一般的にはストレスが原因と思われていますが、ストレス以外にも多くの原因があります。
自己免疫系のトラブルや、遺伝、内分泌系、アレルギーなどもその原因として考えられています。
その殆どが30歳以下で発症し、全体の4分の1が15歳以下のこどもといわれています。多くはアトピーや喘息などのアレルギー症状と併発するようですね。
では、円形脱毛症の主な原因をもう少し詳しく紹介します。
免疫の異常
円形脱毛症の原因として最も一般的に考えられているのが、免疫の異常です。
免疫系の誤作動で誤ってTリンパ球が毛根を攻撃してしまう。攻撃された毛根は髪の毛を作りだすことをストップ!結果的にハゲ部分が出来てしまいます。
ストレスで一時的に免疫系に異常をきたす場合もあるようですが、体質的な問題のほうが多いようです。
免疫が毛根を攻撃する為、発毛が阻害されますが、毛根自体が死んでしまう事はありません。
ハゲ部分がどんなにツルツル状態でも、しっかりと治療すれば髪の毛は生えてくるでしょう。
円形脱毛を誘発する遺伝子
以前「円形脱毛症の発症に8つの遺伝子が関与していることが明らかにされた」という研究がネイチャー誌で発表されました。
この研究から円形脱毛症の発症には遺伝子が関わっていることがわかりました。
つまり円形脱毛症は遺伝する可能性があるということ。
十題、家族に円形脱毛症がいる場合は、こどもも円形脱毛症を発症する確率がアップすると考えられています。
円形脱毛症の発症にに遺伝的要素は重要と考えていいでしょう。
アレルギー
アレルギー症状が原因で円形脱毛症になる場合があります。
一説には円形脱毛症になった人の40%以上がアトピー素因を持つと言われています。
また、アレルギー性の小児喘息を患っている場合も、円形脱毛症のリスクが高まると考えられています。
アトピーや喘息の治療がそのまま円形脱毛症の改善につながる場合が多いので、まずはお医者さんに相談することが重要です。
とりあえず病院へ!円形脱毛症の治療
まず知ってほしいのは、どんな理由であれ「円形脱毛症」で抜けた髪はもう二度と生えないなんてことはないってこと。
毛根までダメにしちゃう円形脱毛症はありません。
また、通常の円形脱毛症は放っておいても6~7か月くらいすると自然に治る事が多いです。
病院で適切な治療をすれば3~4か月で治ってしまうので、それほど心配する必要もないでしょう。
*数は少ないですが、円形脱毛症に効果を発揮する育毛剤もあります。自宅で円形脱毛症のケアをする際にオススメです。
5種類の円形脱毛症のタイプと特徴
その多くが自然に治癒するものの、中には難治性の円形脱毛症もあります。
難治性になる原因は、例えばアトピー体質やほかの疾患が原因であることが多いです。
普通の円形脱毛症は、その名の通り円形のハゲが出来る。
だけど、難治性の円形脱毛症は形がいびつだったり、頭髪以外に脱毛の範囲が広がったりする。
眉毛なんかも脱毛したりします。
いろんなタイプのある円形脱毛症ですが、大きく5つに分類できます。
単発型:10円ハゲ部位が単発のもの
多発型:10円ハゲが複数現れたもの
前頭型:10円ハゲが頭部全体に拡大したもの
全身型:脱毛が全身に拡大したもの(眉毛や体毛も抜け落ちる)
蛇行型:生え際が帯状に脱毛するもの
単発型はほとんどの場合、治療しなくても治ることが多いです。
基本的に抜け落ちている面積が広ければ広いほど、脱毛が長引く傾向にあります。
前頭型や全身型ともなると、改善まで数年かかることも!!
とはいえ、どれだけ抜け落ちていたとしても毛包は死んでいません。
AGA(男性型脱毛症)は毛包の活動自体が縮小し、髪の毛が細く、抜けやすくなります。
そうなってしまうと治療はかなり困難ですが、円形脱毛症は大丈夫。
普通の円形脱毛症も難治性も、適切な治療を受ければ必ず良くなるので焦らないことが大事です。
ストレスでさらに悪くなっちゃうかもしれないし。
では円形脱毛症で病院に行くとしたら、何科に行けばいいのでしょうか?
円形脱毛症で受診するのはなに科がいいの?
円形脱毛症はれっきとした病気なので、病院の皮膚科の受診をするのがいいです。
円形脱毛症の発症にはいろんな要因が関わっており、ただストレスだけとか一概に言えません。
ただ、もし病院に行くとしたらまずは皮膚科です。
例えば育毛クリニックで行うAGA(男性型脱毛症)の治療は保険の対象外です。
だけど円形脱毛症はちゃんとした病気なので保険治療の対象です。
保険が効くので円形脱毛症になったら、安心して近くの皮膚科で治療を受けましょう。
具体的な治療法については、下記の記事にまとめてあります。
円形脱毛症まとめ
円形脱毛症には様々な原因が考えられるので、素人ではなかなか判断できないです。
だから病院に行くのが大事。それに専門医に相談することで心理的にも安心することが出来るでしょう。
円形脱毛症の治療は日本皮膚科学会によりガイドラインが設けられているので、通常医師はそのガイドラインに沿った治療を施します。
なので、どこの病院でもある程度共通の治療は受けられると思います。
といっても、殆どの10円ハゲは大体6か月くらいで自然になくなるもの。
だからちょこっとハゲたくらいで気にしないで、まずは元気に生活してみる。
半年たってもなくならない、或はハゲが増えた!なんてことになったら皮膚科を受診しましょう。