円形脱毛症は老若男女を問わずに発症する可能性のある病気です。
以前はストレスが原因と思われてきましたが、現在その主な原因は自己免疫系の誤作動によって引き起こされると考えられています。
なので、ストレスいっぱいのサラリーマンだけじゃなく、こどもだって円形脱毛症になる可能性はあります。
こどもの円形脱毛症で気を付けなければいけないポイントはなんなのでしょうか?
こどもの円形脱毛症について
こどもの頭に今までなかった10円ハゲは現れたら?
それはひょっとしたら円形脱毛症かもしれません。そしてこどもの円形脱毛症治療には親の助けが重要です。
円形脱毛症は赤ちゃんの時にはなりませんが、1歳くらいから発症する可能性はあります。
原因はストレスではなく、免疫系の疾患であることが多いです。ストレスに無縁の生活を送っている無邪気なこどもだって発症する可能性はあります。
「私の育て方がこどもストレスを与えていて、それで円形脱毛症になったんじゃ…」そんな心配はしないようにしましょう。
円形脱毛症は大雑把に3種類に分けられます。
ハゲが一か所に出来る「単発型」
複数の場所に出来る「多発型」
それ以外にも「難治性」の円形脱毛症があります。難治性のものは、まゆ毛などの体毛まで抜けたり、ハゲる箇所がいびつな形をしていたりします。
単発型は放っておいても半年~1年くらいで自然治癒する場合が多いです。
多発型や難治性のものは、初期の段階で皮膚科を受診したほうが良いです。
また円形脱毛症は、まだ解明はされていないものの、遺伝する可能性があり、アトピー性皮膚炎の場合も発症リスクが高くなります。
もし親や親族に円形脱毛症を発症したことがある人がいたり、こどもがアトピー性皮膚炎だったら、少し注意してみてあげてください。
円形脱毛症の治療法
こどもの円形脱毛症は小児科ではなく、大人と同じで皮膚科を受診します。
円形脱毛症がまだ初期の頃であれば、リンパ球の作用を抑えるステロイドの塗り薬を患部に塗ります。並行して頭皮の血行を促進させるための薬も用いる場合もあります。
重篤な場合は、局所免疫治療法や紫外線照射治療法というものもありますが、皮膚科の先生と相談しながら行うようにしましょう。
単発型はなにもしなくても、半年くらいで自然に治る場合が多いです。だけど多発型などの難治性のものもありますので、その場合は何年も治療を続けなければならないかもしれません。
ただ、円形脱毛症は加齢による薄毛とは違い、治療をすれば必ず治る病気なので、諦めずに適切な治療を続けましょう。親がしっかりしないと、こどもも不安になっちゃいますからね。
円形脱毛症と抜毛症を勘違い?
こどもの頭髪に10円ハゲが見つかった時に、円形脱毛症と勘違いされやすい病気が「抜毛症」です。
これは自分自身で髪の毛を抜いてしまう癖がやめられなくなってしまう病気。
ここが大事なのですが、円形脱毛症とは違い、抜毛症はストレスが原因で発症します。
円形脱毛症と抜毛症は治療方法が全く違うので、もしこどもの頭髪の一部分がハゲてしまっていたら、焦らずにお子さんや症状を観察してみてください。
こどもが過度のストレスにさらされていないか?
こども部屋やトイレに抜いたと思われる髪の毛が落ちていないか?
抜毛症なら不自然な髪の毛が落ちている場合があります。
円形脱毛症の場合、髪の毛が生えている所とハゲとの境目がクッキリしていると言われています。また、円形脱毛症の場合、その境目の髪の毛を引っ張るとスルリと抜けてしまう事もあります(個人差がありますが)
抜毛症で受診するのは皮膚科ではなく”心療内科”になります。
円形脱毛症でも抜毛症でも、悪化させないための最も有効な対策は初期の段階で病院に行くこと。
抜毛症の疑いがあっても素人判断はせず、とりあえず皮膚科に行って相談するのも良いのではないでしょうか。
こどもの円形脱毛症の原因と対策のまとめ
こどもの円形脱毛症はほとんどの場合、ストレスは関係ありません。免疫系の原因が考えられます。適切な治療を行えば、必ず治る病気です。
頭皮を健康に保つことも大事ですが、一番はやはり専門医の治療を受ける事。円形脱毛症は、薄毛クリニックの治療と違って保険が適用になります。
抜毛症でないかなどを確認しつつ、いち早く皮膚科に行きましょう。
また、こどもの学校での精神的なストレスなども考えて「ウィッグ」や「かつら」の使用を考えるのも良いと思います。
身体的な面と共に精神的な面でも、親がしっかりとフォローしてあげるのが重要ですね。