「フケが多いと毛穴が詰まってハゲの原因になる」
そんな話を聞いたことがあると思いますが、実はこれは間違っています。
たとえ大量のフケで毛穴が詰まっていたとしても、それが直接的に抜け毛を引き起こすことはありません。髪の毛を作り出す毛母細胞は毛穴の奥にあり、表面がちょっと詰まっただけでは何の悪影響もうけないからです。
ですが、フケが多いことは、抜け毛・薄毛のリスクを上げてしまうのも確か。
今回は、フケが抜け毛を引き起こす本当の原因と、フケが多い人のための薄毛対策を紹介します。
フケには2種類のタイプが存在する。
フケの原因は複数ありますが、基本的には頭皮の新陳代謝によって古い角質が剥がれ落ちることで発生します。
古い角質からできたフケには脂性と乾性のふたつのタイプがあり、それぞれに違う特徴を持っています。
それぞれに原因や薄毛に対するリスク、改善するための対策も違うので、順番に紹介します。
乾燥フケの原因と抜け毛の関係
乾燥したフケの原因は頭皮の乾燥。
乾性フケはサラサラしていて細かい粒子状をしています。
乾性フケが発生する原因は、乾燥肌の体質であったり、加齢による頭皮の水分保持機能の低下や、洗浄力が強すぎるシャンプーで頭皮の皮脂を根こそぎ除去してしまうことが考えられます。(皮脂は頭皮から分泌され、頭皮を紫外線や汚れから守る作用を持っています)
若いころは平気だったのに、年を重ねるごとに皮膚が乾燥してしまい、乾燥する冬場ともなるとお風呂上りに保湿クリームがかかせない!
その原因は年齢を重ねることによって、皮膚のコラーゲンが減少し、皮脂の分泌が減少するこて、保湿機能が低下するから。
頭皮のコラーゲン減少や皮脂の減少は、乾性フケの原因んいなるのと同時に、抜け毛リスクを高めてしまいます。
また、頭皮が乾燥していると、汚れやちょっとした刺激に弱くなったり、紫外線の悪影響を受けやすくなります。
頭皮はもともと紫外線の影響を受けやすい部位ではありますが、髪の毛や皮脂がバリアの役割を果たしています。
ですが、薄毛が進行していたり、頭皮が乾燥している場合、特に頭頂部は紫外線をダイレクトに受けることになりかねません。
紫外線は頭皮の老化を促進します。
頭皮が乾燥していて、乾性フケに悩んでいるのなら、抜け毛予防のためにも頭皮に当たる紫外線を避ける必要があるでしょう。
関連記事:育毛・薄毛と日光の関係。紫外線で薄毛になるのか!?
注意ポイント
乾性フケは頭皮が乾燥している証拠。
乾燥した頭皮はダメージを受けやすく、薄毛リスクが上がります。
乾性フケの対策
①病気や体質による肌の乾燥
糖尿病やアトピー性皮膚炎などは「肌の乾燥」という症状が出る場合があります。そのため頭皮が乾燥し、乾性のフケが出る場合があります。
そういった何らかの疾病が要因のフケの場合は、シャンプーをかえたり、頭皮ケアをしても、その効果は限定的。
なによりも、フケの原因となっている疾病をしっかりと治療するのが一番大切です。
②乾燥した環境による影響
日本では冬場、特に空気が乾燥します。
乾燥した空気に頭皮の水分が蒸発してしまった結果、乾性のフケが発生する場合があります。
加湿器などで部屋の空気を乾燥させたり、頭皮に潤いを与えるシャンプーを使ったりすることで対策しましょう。
③栄養バランスの崩れ
極端なダイエットや栄養バランスの偏りが原因で乾燥肌になる場合があります。
タンパク質や、乾燥肌を予防するビタミンAを主としたビタミン類、亜鉛などのミネラル、すべてが大事。バランスよく摂取することで乾燥肌を防ぐことが出来るでしょう。
しっかりと”脂質”を摂取するのも大切です。
④洗髪のやり方
頭皮の脂分はバリアの役割を担っています。これを落とし過ぎると頭皮環境が悪化してしまいます。
皮脂を落とし過ぎるのは、洗髪の方法が間違っているから。基本洗髪は1日1回、夜寝る前に行います。2度3度行っている場合は、明らかに洗髪のやり過ぎ。また、洗浄力の強いシャンプーを使う事も同様に頭皮を洗いすぎる結果になります。
洗いすぎると、頭皮の脂分がなくなってしまい、頭皮の新陳代謝が異常を起こしてフケが増える場合があります。
シャンプーは弱酸性のものを使い、1日1回にする。ドライヤーの使い過ぎも頭皮を乾燥させるので、頭皮にすこし潤いが残る程度に使いましょう。(自然乾燥は髪を傷つけるので×)
・シャンプーの正しい方法についてはこちらを参考にしてみてください→薄毛対策の基本!育毛剤の効果を高める正しいシャンプーのやり方8ステップ。
脂性フケの原因と薄毛の関係
”脂性のフケ”はサラサラして細かい粒状の乾性のフケとは違い、ベトベトしていてひとつひとつが大きいという特徴を持っています。
原因は主に3つ。
脂性フケの3つの原因
①頭皮を不潔にしている
②体質的に頭皮の皮脂分泌が多い
③頭皮でカビ(マラセチア菌)が繁殖している
頭皮に皮脂がべったりとついていると、皮脂が酸化してしまい皮膚に悪影響を与えます。
皮脂の酸化は頭皮の炎症の原因にもなり、それが薄毛を引き起こす可能性もあります。頭皮の匂いがキツくなるのも、皮脂が酸化しているのが原因です。
また脂性のフケは毛穴に詰まりやすく、それによって毛根の雑菌が繁殖し、炎症の原因にもなりかねません。
皮脂それ自体は頭皮を守るバリア機能を果たしており、とても大切な役割を持っています。ですが分泌されすぎると、それはそれで問題というわけですね。
脂性フケの対策
頭皮を不潔にしていることが原因のフケであれば、毎日お風呂でシャンプーをすることで改善するでしょう。
問題は体質的に皮脂が多い方。
毎日しっかりとシャンプーをしても、ベトベトしたフケが発生してしまうことがあります。
そんな時にオススメの対策は2つ。
ひとつめは、脂っこい食事を控えること。
脂身たっぷりの肉や天ぷらを食べた次の日に、肌が油でギトギトになることがあります。油っぽい食べ物は肌はもちろんですが、頭皮もギトギトにしてしまいます。
脂っこい食べ物を控えれば、体質的に皮脂が多い方でも皮脂の分泌を抑えることができるでしょう。
もうひとつの対策は、しっかりと皮脂を落とせるシャンプーを使うこと。
敏感肌用の頭皮に優しいシャンプーも販売してありますが、皮脂分泌が多い方にとっては洗浄力が弱過ぎることもあります。
しっかりと皮脂を落とせるシャンプーを使い続ければ、少しずつ脂性のフケも減っていくでしょう。
頭皮でカビ(マラセチア菌)が繁殖することが原因のフケには特別な対策が必要です。
頭皮でマラセチア菌が繁殖するのには、大きく2つの原因が考えられます。
①頭皮にマラセチアのエサとなる脂分が多い
②免疫力が低下している
このふたつです。
マラセチア菌が原因のフケの対策としては、頭皮を清潔に保ち脂分を取り除くことと、専用の薬を使ってマラセチアを駆逐する事が有効です。睡眠をよくとったり、バランスの良い食事をとることで免疫力を高めるのも有効ですね。
マラセチアが繁殖すると、頭皮が赤く炎症を起し薄毛や脱毛の原因になると考えられています。
症状が進み、頭皮に慢性的な炎症があらわれると「脂漏性皮膚炎」になってしまうかもしれません。
そんな場合は、皮膚科を受診するのも有効です。
脂漏性皮膚炎のための”薬用”シャンプー「カダソン」を使ってみるのもオススメですね。
フケの原因が男性ホルモンの場合もある
乾性フケは頭皮の乾燥によって、脂性フケは頭皮の炎症によって、薄毛や抜け毛を引き起こすリスクを上げてしまいます。
ですが、まったく別の要因でフケが薄毛につながる可能性もあります。
それが男性ホルモンです。
男性ホルモンのテストステロンには頭皮の新陳代謝を活性化させる作用があります。
その結果、新しい皮膚が盛んに作られ、古い角質は皮膚から剥がれ落ちることに。
それが大量のフケの原因になることがあります。
男性ホルモンのテストステロンは、毛根にある5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロンに変化します。
ジヒドロテストステロンはテストステロンよりも遥かに強力な作用を持っていて、毛乳頭の細胞分裂を抑制し、薄毛を進行させてしまいます。
フケが増えてしまった原因が男性ホルモンだったとしたら、結果的に薄毛の進行に繋がる可能性があるのです。
毎日シャンプーをしているのにフケが多い。
別に脂性や乾燥肌の体質というわけではないのにフケが増えてきた。
そんな場合、体内の男性ホルモンが盛んに分泌されていることが影響しているのかもしれません。
男性ホルモンが原因の薄毛は、頭皮マッサージをしたり普通の育毛剤を使うだけでは改善することはできません。
そのような対策をどれだけ行っても、ジヒドロテストステロンの生成を抑えることができないからです。
オススメの方法は3つ。
①ミノキシジル配合の発毛剤を使う
ミノキシジルというのは薄毛治療に使われる発毛成分。
世界の90か国以上で薄毛治療に使われている信頼のおける成分です。
日本ではリアップとメディカルミノキ5という2つの商品にしか配合されておらず、他のすべての育毛剤にはミノキシジルは配合されていません。
ミノキシジル配合の発毛剤を正しく使えば、男性ホルモンが原因の薄毛を改善することができるでしょう。
当サイトが自信を持ってオススメするのは、アンファーが開発したメディカルミノキ5です。メディカルミノキ5については、下記の記事を参照してみてください。
②低出力レーザー育毛器をつかう
日本ではあまり行われていませんが、海外では薄毛治療のために低出力レーザーを利用していて、その発毛効果もいろんな臨床実験で証明されています。
低出力で安全なレーザーを頭皮に照射し、毛母細胞を活性化させることで薄毛を改善することができるんですね。
「レーザーで育毛なんかできるの!?」
と思うかもしれませんが、2017年に日本皮膚科学会が作成した薄毛治療ガイドラインでは、「低出力レーザーを利用した薄毛治療」が効果のある薄毛治療法として紹介されています。
以外にも、市販の育毛剤よりはるかに信頼のおける育毛法であり、もちろん男性ホルモンが原因の薄毛にも効果を発揮します。
育毛サロンで施術を受けることも可能ですが、低出力レーザー育毛器を購入すれば自宅で手軽に薄毛治療が行えます。それに、長期的に見ても割安です。
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③育毛クリニックに行く
男性ホルモンのテストステロンが増えると、脱毛を引き起こすジヒドロテストステロンの生成が増えます。
ジヒドロテストステロンが原因の薄毛には、内服薬を使った薄毛治療が効果的。
薄毛治療の内服薬は頭皮でのジヒドロテストステロンの生成を防ぎ、薄毛の進行を止めることができます。
ただし、薄毛治療の内服薬は処方箋医薬品に分類されるので、医師の診察が必要になってきます。
薄毛治療専門の育毛クリニックであれば、経験豊富な医師がフケや男性ホルモンが原因の薄毛に対して適切な薄毛治療を行ってくれるでしょう。
フケが原因の薄毛対策まとめ
では、フケが原因の薄毛や抜け毛を改善するための対策をまとめてみます。
☆乾性フケの対策
- 頭皮の保湿を心がける
- 頭皮に優しいスカルプシャンプーを使い、正しく洗髪する
- 栄養バランスの良い食事を心がける
- 糖尿病やアトピー性皮膚炎などの疾患が原因の場合は、原因となる疾患をしっかりと治療したり、専門医に相談する。
☆脂性フケの対策
- 余分な皮脂を取り除くためしっかりとシャンプーする
- 脂っこい食事を控える
- マラセチア菌が原因の場合は専用のシャンプーを使うか、皮膚科に相談する
☆フケの原因が男性ホルモンの場合
- ミノキシジル配合の発毛剤を使う
- 低出力レーザー育毛器を使う
- 育毛クリニックに相談する
フケが増えるということは、薄毛のリスクが上がっている可能性があります。
もしフケが増えているだけでまだ薄毛になっていないのであれば、早めに対策を行うことで、薄毛の予防や進行を遅らせる事に繋がるでしょう。
フケが多いからといって必ずしも薄毛やハゲになるわけではありませんが、軽視せずにしっかりと対策しましょう!