自毛植毛は薄毛治療に最も有効と考えられている方法のひとつです。
日本皮膚科学会の男性型脱毛症ガイドラインでも、自毛植毛は上から2番目のBで「 行うよう勧められる」という判定になります。
ミノキシジルやフィナステリドなどの薄毛治療で改善が見られなかった場合にも、植毛であれば有効である場合が多いです。
植毛には「自毛植毛」もありますが「人工毛植毛」という方法もあります。
それぞれの違いと、植毛の基礎知識を紹介します。
自毛植毛と人工毛植毛
植毛には自毛植毛と人工毛植毛がありますが、現在国内で植毛といえば、ほとんどの場合自毛植毛を指します。
それぞれの特徴を紹介します。
人工毛植毛の特徴
人工毛植毛は日本で開発された薄毛治療技術。ナイロンなどでつくった人口の髪の毛を、手術で薄毛部分の頭皮に埋め込みます。
人工毛植毛は現在ではあまり行われていぬませんが、その理由は人工毛植毛には大きなリスクがあるからです。
拒絶反応
まず一つ目は拒絶反応です。頭皮に異物を埋め込む手術をするので、それに対して拒絶反応が出てしまう場合があるのです。拒絶反応が起きると、頭皮に炎症が起きたり、毛穴から化膿してしまう場合もあります。
メンテナンス
人工の髪の毛は当然のことながら、伸びる事はありません。永遠に使えるわけでもないので、定期的に人工毛のメンテナンスが必要になります。抜けてしまえばもう生えてこないので、新しい人工毛を植毛する必要もあるでしょう。
人工毛植毛は男性型脱毛症ガイドラインの評価も、最悪のD判定。
「行わないよう勧められる(無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)」
という散々な評価を下されています。アメリカでは人工毛植毛を禁止している州もあるくらいです。植毛をするなら、絶対に自毛植毛の方が良いでしょう。
自毛植毛の特徴
自毛植毛はその名のとおり、自分の髪の毛を薄毛部分に移植する手術の事です。
より正確に言うと、髪の毛を生成する「毛包」を移植します。なので、一度毛包の移植に成功すれば、そこから髪の毛が生え続けます。人工毛植毛とは違い、定期的なメンテナンスが不要というところがこの自毛植毛の凄い所です。
自毛植毛の方法は皮を移植する方法など数種類ありますが、いま最も安全で有効と考えられているのが「遊離植毛術」です。
遊離植毛術は髪の毛の生えている側頭部や後頭部から、生きた毛包を採取し、薄毛部分の頭皮に移植する方法。
細かな違いこそあれ、どこの育毛クリニックの自毛植毛でも遊離植毛が行われています。
小さな毛包を移植するので、薄毛部分に自然に髪を生やすことが出来ます。一度移植してしまえば、そこから自分の髪の毛が生えてくるし、シャンプーしても大丈夫です。元々自分の皮膚から移植してくるわけですから、拒絶反応もなく安心です。
ミノキシジルやフィナステリドの副作用が怖い人、迅速に確実に薄毛を改善したい人にとって自毛植毛は最も検討すべき方法のひとつでしょう。