日本の市場に出回っている育毛剤のほとんどが、西洋医学に基づいたものばかり。
西洋医学による科学的な根拠に裏打ちされた育毛剤は、年々進化を遂げています。昔は効果のあるかわからないような怪しげな育毛剤もありましたが、現在はしっかりと効果のある育毛剤が増えています。
そういった西洋医学の薬に対して、東洋医学には「漢方」があります。
漢方は西洋の医薬品に比べて、性急な効果はないものの、体質改善が期待できるという特徴を持っています。
今ではその効果も認められ、保険の対象にもなっています。
何千年の歴史を持つ漢方ですが、育毛と薄毛予防に効果的な漢方はあるのでしょうか?
育毛に効く漢方とは?
まずは漢方の考え方を簡単に説明します。
西洋医学は対症療法の考え方です。なにか体調不良の症状が出た場合に、それに効く薬を飲むという考え方。
ハゲてきたら、薄毛の部分に育毛剤を塗布するという方法ですね。
対して漢方の考え方はそれとはまったく異なっています。
漢方は原因療法、つまり病気の原因そのものにアプローチする方法です。
毎日漢方を飲み続けることで体質を改善し、薄毛になりにくい身体を作る、といったイメージです。
そのメリットやデメリットはどんなものがあるのでしょうか?
漢方のメリット
- 薬の様に強い副作用が起こるものが少ない
- 体質改善の効果がある
- 未病の段階で効果が発揮される
薄毛治療の内服薬は女性が使うことが禁忌とされていたり、性欲減退や心臓に負担をかけるなどの副作用があります。
ですが、漢方には重篤な副作用はありません。
漢方のデメリット
- 即効性がない
- 効くかどうかその人の体質によって変わる
- 気長に使い続けないと効果が表れない
漢方は飲めば必ず効く!という性質のものではなく、長い期間でじっくりとその効果を表します。
抗生物質などの薬とは違い、漢方は飲み始めてもすぐに効果が発揮されるというわけではありません。気長に服用する必要があるんですね。
そのかわり体質改善を期待できるので、AGAや円形脱毛症にも一定の効果があるでしょう。未病の段階で効果を発揮するので、ハゲの家系で不安だから飲み始める…なんてことも出来ます。
西洋医学的なアプローチでは考えられないような凄い効果を発揮するかもしれません。
育毛に効果的と思われる漢方
自律神経を整える漢方
自律神経の乱れは、身体のあちこちに悪影響を及ぼします。
末梢神経の働きをおかしくしたり、毛細血管の血流も悪化させてしまうでしょう。
自律神経を整える漢方はストレス性の薄毛や円形脱毛症、FAGA(女性男性型脱毛症)にも効果が期待できます。
自律神経の乱れはホルモンのバランスも狂わせてしまいます。中年期以降の女性の薄毛にもオススメできますね。
自律神経を整える漢方はこちら。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
内臓全般を健康にする漢方
内臓が不健康だとしっかりと食べても栄養を吸収できず、様々な弊害が起こります。もちろん、薄毛の原因になります。
しっかりと栄養を摂取することは、健康な髪を育てる基本!!
内臓を健康に保つこと、栄養バランスの良い食事を摂ること、それらを心がければ頭皮や髪の毛の”質”が変わっていくでしょう。
「腎」の改善に役立つ漢方はこちらです。
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう
血液を補う漢方
多くの育毛剤が血行促進作用のある成分を含んでいることからわかるように、血行促進は育毛にとってとても大切な要素です。
頭皮の毛細血管を通る血液が、毛根の奥にある毛母細胞に栄養を送り届けるからです。
健康な血液を作り、血流を良くする漢方は育毛にも効果的と考えられます。
血液の流れにアプローチする漢方はこちらです。
- 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 小柴胡湯(しょうさいことう)
- 加味逍遥散(かみしょうようさん)
油っぽい頭皮を整える漢方
特に脂漏性湿疹などが原因の薄毛に効果的です。油っぽい頭皮の改善は薄毛対策の基本ですね。
しっかりとシャンプーして頭皮を清潔に保っても、1日で頭皮がベトベトになってしまう体質だったとしても、この漢方で体質改善が期待できるでしょう。
- 瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
黄連解毒湯は頭皮の痒みや湿疹、炎症にも効果的です。
漢方服用の注意点と効果を上昇させる飲み方
漢方というとなんだか怪しげなイメージがありますが、普通に総合病院で処方してくれることもあるちゃんとした薬です。
漢方といえば中国から伝わった医術というイメージがありますが、日本の漢方は技術が伝来して以降独自の進化を遂げており、まさに東洋医学と西洋医学のハイブリットのような存在になっています。
それに手に入れるのに処方箋はいらないですし、普通の薬局でも販売しています。漢方の専門店に行けば、自分の体質に合わせた生薬をブレンドしてくれるかもしれません。
もちろん、Amazonなどのネット通販でも購入できます。
ただ服用する薬ではあるので、通販で買うよりもお店の専門家に自分の症状を伝えて、オススメの漢方を選んでもらうのがオススメですね。
副作用が出ずらく、西洋薬より安全な漢方とはいえ、完全に安心というわけではありません。薬局やアマゾンで購入した場合は、説明書をよく読んで使い方を守って服用しましょう。
体質改善を目的に使い続ければ、頭皮環境も改善して健康な髪の毛を育む土壌が整うでしょう。
では次に、漢方の使い方について説明します。
漢方の理想的な飲み方のポイントはふたつあります。
ひとつは空腹状態のときに飲むこと。
風邪薬などは食後に飲んでもOKなことがありますが、漢方はお腹が空いたときに飲む方が効果があります。
そもそも漢方は生薬を組み合わせて作られた薬。
生薬は自然由来の薬草などが多いので、もし食後に服用すると、ほかの食べ物の影響を受ける可能性があります。絶対に効果が低くなるというわけではありませんが。生薬が絶妙にブレンドされた漢方の効果を存分に享受するには、空腹時の方が確実なようです。
それに漢方は空腹状態で飲んでも、胃を荒らすこともないでしょう。
もうひとつはお湯で飲むこと。
漢方は元々お湯で煎じて、薬効成分を摂取していました。今ではそのエキスを使って顆粒や錠剤として販売されていますが、
やはりお湯で飲む方が吸収が良くなるという特徴を持っています。
漢方はお腹が空いているときに、あたたかい白湯で飲む。
これが漢方のもつ本来の効果が享受できるオススメの飲み方です。
薄毛予防や育毛のために、育毛剤だけではなく、身体の内部から体質改善してみてはいかがでしょうか。
ぜひとも試してみてください。
乱れた食生活を送っている場合は、栄養バランスをサポートする育毛サプリメントを使うのもオススメです。
育毛サプリメントには、不足しがちな髪の毛の成長をサポートする栄養素がバランスよく配合されています。