ハゲの雑学

体毛が濃い人はハゲる?男性ホルモンが影響する薄毛と剛毛のシステムについて

2018年3月20日

体毛が濃いとハゲる!!

そんな薄毛に関する都市伝説を聞いたことがあるかもしれません。

 

「体毛が濃い→男性ホルモンが多い→薄毛・脱毛のリスクが高くなる」

 

このような考えが根底にあるのでしょう。

これは本当なのでしょうか?

 

例えば「ワカメを食べると髪が生える」という育毛都市伝説がありますが、これはまったくの嘘・デタラメです。

ワカメなどの海藻類はミネラルが豊富で、髪の毛にとって大切な栄養素が含まれているのは確か。

ですが、食べたからと言って髪の毛を作り出す効果は得られません。

一説には、海底で揺らいでいるワカメが豊富な髪の毛に見えたため、こんな都市伝説が生まれたらしいのですが…その真相は不明です。

 

「ワカメを食べると髪が生える」という都市伝説は当てになりませんが、「体毛が濃いとハゲる!!」という都市伝説は、ある種の科学的根拠があります。

なぜ、体毛が濃いとハゲるのでしょうか?

体毛が濃いとハゲる理由とは??

腕毛やすね毛、ヒゲに陰毛、そんな頭髪以外の身体に生える”体毛”が濃いと、薄毛になりやすくるのは本当でしょうか?

これは半分は本当で半分はウソです。

男性ホルモンの分泌が多いことは、確かに薄毛を引き起こす要因のひとつですが、誰もが男性ホルモンによって薄毛になるわけではないからです。

 

まず最初に、男性ホルモンが薄毛を引き起こすシステムを紹介します。

男性ホルモンは主に男性の精巣から分泌され、男らしい体つきを作ったり、ヒゲや体毛を濃くする作用があります。

男性に比べれば圧倒的に少ないものの、女性でも男性ホルモンは分泌されていて、まれにヒゲや腕毛が濃い女性もいます。

血液中の男性ホルモンは頭皮にある5αリダクターゼという酵素と反応して、ジヒドロテストステロン(DHT)という強力な男性ホルモンに変化します。

このジヒドロテストステロンが毛根に作用して、健康なヘアサイクルを乱し、抜け毛を増やしてしまうのです。

 

薄毛が引き起こされるのは、厳密には男性ホルモンが原因ではなく、ジヒドロテストステロンが原因ということになります。

側頭部や後頭部の髪の毛はハゲになりませんが、それはこの部位に5αリダクターゼがほとんど存在しないため。ジヒドロテストステロンが生成されないので薄毛にもなりません。

たとえ男性ホルモンが多い人でも、体質的に5αリダクターゼが少なければハゲになりにくいということになりますね。

ジヒドロテストステロンは体毛を濃くする作用がある

頭皮を薄くするジヒドロテストステロンですが、体毛に関しては逆に作用します。

ヒゲやわき毛、陰毛などの毛根にも5αリダクターゼは存在し、男性ホルモンが作用してジヒドロテストステロンが作られます。

ですが、体毛で発現したジヒドロテストステロンは毛根を刺激して髪の毛を増やす作用があるのです。

 

その理由はジヒドロテストステロンの影響で生成される物質が、部位によって違うから。

頭皮ではジヒドロテストステロンが作用して、薄毛を促進させる「TGF-β1」という物質が生成されましが、ヒゲや体毛が生えている部位では「IGF-1」という成長因子が生成されます。

 

体質的に男性ホルモンが多い方は、体毛が濃くなります。それは毛根でIGF-1がたくさん作られているから。

もし同じように頭皮でもジヒドロテストステロンがたくさん作られたとしたら、TGF-β1が増えてハゲる原因となるでしょう。

 

わかりやすく体毛と5αリダクターゼについてグラフにしてみました。

頭皮の5αリダクターゼの感受性が高い頭皮の5αリダクターゼの感受性が低い
体毛が濃い 薄毛リスク高 薄毛リスク中
体毛が薄い 薄毛リスク中 薄毛リスク低

体毛が濃くて男性ホルモンが多いからと言って、必ずハゲるとは限りません。

逆に体毛が薄くて男性ホルモンが少なくても、5αリダクターゼが多ければハゲる可能性はあります。

 

頭皮の5αリダクターゼの感受性については遺伝要素が強いです。

 

でも、自分の頭皮に5αリダクターゼについて調べるのは困難です。

簡易的に予測するのなら、自分の親族の頭髪をざっと見てみるのがいいでしょう。

単純に薄毛が多いとしたら「5αリダクターゼが高い体質」が遺伝している可能性があります。

 

もし自分の頭皮に5αリダクターゼが多そうであれば、薄毛になる前からきちんと育毛活動を行うことで薄毛を予防したり、進行を遅らせることができるでしょう。

おすすめ記事:母方?父方?薄毛やハゲの遺伝はどちらの影響が強いのだろうか?

薄毛治療薬を飲んだら体毛は薄くなる?濃くなる?

AGAクリニックで処方される「薄毛治療のための内服薬」は、5αリダクターゼの働きを阻害し、ジヒドロテストステロンの生成を抑えることで発毛を促します。

そんな「髪の毛が生えてくる薬」を飲んだとしたら、何となく体毛も濃くなるような気がしますね。

 

ですが、先ほど説明したジヒドロテストステロンと薄毛の関係を考えるのなら、そんなことはありえないことがわかります。

薄毛治療の内服薬として主に利用されるのはフィナステリドという成分ですが、フィナステリドを服用しても副作用で体毛は濃くなることはありません。

体中の毛根でジヒドロテストステロンの生成が抑えられるとしたら、逆に体毛が薄くなる可能性はあるかもしれませんが。

フィナステリドの副作用を確認しても「体毛が薄くなる」とか「体毛が濃くなる」という報告はされていないので、体毛については影響は少ないと考えていいでしょう。

 

またミノキシジル・タブレット、通称ミノタブも飲む育毛剤として有名です。

日本では薄毛治療薬として認められていませんので、育毛クリニックで処方されることはありません。

ですがミノタブを海外からの通販で購入し、薄毛治療のために服用している人もいます。

ミノタブに関しては、その副作用で体毛が濃くなる可能性があります。

ミノキシジルは毛根を活性化させて髪の毛を増やすので、頭皮以外の部位に関しても発毛作用があらわれる可能性があるのです。

とはいえ、日本皮膚科学会でも薄毛治療としてミノキシジル・タブレットを使うのは推奨していないので、個人輸入で試すくらいなら育毛クリニックでフィナステリドなどの内服薬を試す方が確実だし安全でしょう。

体毛が濃い人はハゲる?まとめ

  • 体毛の濃い人は男性ホルモンの分泌が多い
  • 男性ホルモンは5αリダクターゼによってジヒドロテストステロンになる
  • ジヒドロテストステロンによって生成されるTGF-β1が頭髪を薄くする作用がある
  • ジヒドロテストステロンによって生成されるIGF-1が体毛を濃くする作用がある
  • 体毛が濃い人は薄毛リスクが高いものの、必ずしも薄毛になるとは限らない

もし体毛が濃くて将来ハゲるかもしれない…と心配なら、抜け毛が目立ってくる前から育毛剤を使ったり、食生活や生活習慣を健康的にしたりして、予防策を打っておくことが大切です。

もしすでに薄毛になっているとしても、諦めずに育毛剤や育毛サプリメントを使ったり頭皮マッサージをするのが大切。

育毛クリニックで薄毛治療薬を処方してもらうのもとても有効な選択肢です。

 

「体毛が濃い人=ハゲる」というわけではありませんが、薄毛リスクは体毛が薄い人よりも高いのは確か。

普段から頭皮ケアに気を使うのが大切ですね。

オススメ記事:有効成分数で比較したオススメ男性用育毛剤ランキング

-ハゲの雑学