頭皮の皮脂が多いからって必ず薄毛を引き起こすわけじゃない
頭皮が汚いと毛穴が詰まったり、炎症の原因になったりと、頭皮環境が悪化して薄毛の原因になります。
でも、そこにはちょっとした誤解があります。
頭皮が脂っぽいと汚れているイメージがありますが、実は頭皮から分泌される”皮脂”は汚れではありません。皮脂は頭皮を紫外線などの外部刺激から守る役割があり、必ずしも悪者というわけではありません。
それに髪の毛を作る毛母細胞は毛根の深部にあるので、少しくらい皮脂が毛穴に詰まったからといって悪影響を受けません。そのため、髪の毛が伸びるのにともない、毛穴に詰まった皮脂は押し出されて自然に排出されます。
「なんだ、皮脂は大切なんだ。じゃあ、シャンプーや~めた!!」
なんてことにはならないので注意!!
雨に打たれたときに付着した細菌、整髪料、運動してかいた汗などは、そのまま放置しておくと頭皮環境の悪化に繋がります。頭皮を守るはずの皮脂だって、放置しておくと酸化してしまい、嫌な臭いや頭皮炎症の原因になります。
頭皮の皮脂が過剰に分泌されるからと言って、必ずしも薄毛になるわけではありませんが、毎日の洗髪は薄毛予防の基本なのです。
ですが…皮脂でベトベトの頭皮を改善するために、皮脂汚れをガッツリと落とす強力なシャンプーを使うのはおすすめしません。
皮脂を落としすぎると、頭皮が乾燥したり、フケの原因になったりします。
それに、強力なシャンプーを使わないほうがいいのには、「皮脂は汚れではない」ということと以外に、もう一つの理由があります。
シャンプーは大まかに3種類ある
シャンプーは大まかに3種類に分別されます。
いちばん洗浄力が強く、皮脂を除去することができるのが「石鹸シャンプー」です。
その次に洗浄力が強いのが、一般的なシャンプーである「石油系シャンプー」です。ドラッグストアに並んでいるシャンプーのほとんどは、この石油系シャンプーに分類されます。
最後にいちばん洗浄力が弱い代わりに肌にやさしい「アミノ酸シャンプー」です。
頭皮が脂性だと、洗浄力の強い石鹸系シャンプーや石油系シャンプーを使いたくなるかもしれませんが、それは逆効果。
頭皮の防御膜である皮脂は、除去しすぎると、体の防衛反応として逆に分泌が増えてしまう場合があるのです。
同様の理由で、シャンプーのときにゴシゴシと力を入れて洗うと、それも皮脂分泌増加の原因になります。シャンプーは指の腹を使って、やさしく洗うのが基本です。
もし洗い上がりが少しくらいベトベトしていたとしても、アミノ酸シャンプーを使い続けたほうが脂性の頭皮を改善する効果があります。頭皮に十分に皮脂がある状態が続けば、自然と皮脂の分泌が減っていくからです。
とはいえ、頭皮がギトギトの状態は不快だし、余分な皮脂が毛穴に詰まって炎症の原因になる場合があります。
そんな時は、どうすればいいでしょうか?
脂性の皮脂を改善するためにシャンプーよりおすすめな方法
ギトギトの頭皮を何とかしたい、だけど脂性を悪化させる強力なシャンプーを使いたくない。そんな時におすすめなのがブラッシングです。
ためしに手グシで髪を何度かかき上げてみましょう。
すると、手のひらや指先に皮脂が付いて、ちょっとベトつきます。これは皮脂が出すぎているわけはなく、ごく自然なこと。どんな人でも、頭皮を触れば皮脂が付きますし、付かないほうが逆に危険です。
指先に皮脂がつくということは、頭皮の余計な皮脂が指先に移動したということでもあります。それと同時に、皮脂が髪の毛にも行きわたりコーティング作用もあります。
頭皮の皮脂を減らすには、洗浄力の強いシャンプーを使うよりもブラッシングのほうがおすすめ。頭皮を刺激して血行促進効果もあるので一石二鳥ですね。
ただし先ほども説明した通り、頭皮に過剰な力を加えると皮脂分泌の増加に繋がるので、あくまでも優しく、気持ちいい程度に行うのがポイントですね。
ブラシを使うのもいいですが、個人的には手を使って髪をかき上げたり、頭皮に沿ってマッサージしながら移動させるほうが効果的だと思います。指先に皮脂がついて、頭皮の皮脂が減る実感がありますし、石鹸で手を洗うだけで簡単に落ちます。
普段は頭皮にやさしいアミノ酸シャンプーを使い、ちょっとした時間の合間にリフレッシュするために髪をかき上げる仕草を何度か繰り返す。
それを毎日づつければ、頭皮の皮脂が減り、頭皮環境もよくなるでしょう。薄毛予防にも効果的ですね。