- 体毛を剃ったとしても濃くはならないし、毛の太さも変わらない。
- これらの事実は人間を対象とした実験でも実証されている。
- 髪の毛を剃ると紫外線が直接頭皮に当たり、薄毛のリスクを上げてしまうかもしれないので要注意。
「太ももや二の腕の体毛を剃ると濃くなる」
「髭を剃ると濃くなる」
「わき毛を剃ると濃くなる」
「髪の毛を剃ると生えてくる」
そんな噂を聞いたことがあると思います。
はたして本当に毛を剃ると、その部分が濃くなってくるのでしょうか?
その噂の理由と、マウスの体毛を剃ってしまうというヘンテコな実験を紹介します。
毛を剃ると濃くなるってホント!?
カミソリで毛を剃ると、その刺激によって髪の毛が濃くなる。
そんな話を聞いたことがあります。
ですが、結論から申し上げますと「体毛を剃ると濃くなるのはウソ」みたいです。
まあ、もしそんな噂がホントなら、毎日ヒゲを剃っている男性はもっとも剛毛になっているでしょうし、毎日すね毛を剃っている女性の足もボーボーになっているでしょう。
では、なぜそんな噂が発生したのか?
それにはふたつの説が考えられます。
剃った後の毛の断面が大きくなる説
一般的に髪の毛は先端が細く、根元は太くなっています。
この髪の毛をカミソリなどで剃ると、毛の断面が大きくなり、「太く濃く見える」場合があります。
これによって「毛を剃る=濃くなる」という都市伝説が生まれたと考えられます。
もちろん、太く見えるだけなので、毛の量が多くなるわけでも、抜け毛が減るわけでもありません。
毛を剃り始めるのが思春期だから説
ヒゲや足・腕の無駄毛を剃ると濃くなるといわれる理由にはもう一つ考えられます。
ヒゲが生え始めたり、ムダ毛が気になりだすのは”思春期”です。
思春期に外見が気になりだしてムダ毛処理を始めるわけですが、その後の成長によってどんどん毛は濃くなります。
そうなると、ムダ毛を剃った後に毛が濃くなった気がしますが…実はそれは通常の成長の一環。
結局、剃ろうが剃らなかろうが、毛は濃くなっていたというわけです。
頭皮への刺激は育毛に効果があるの!?
カミソリで髭や体毛や髪の毛を剃ると、それが肌への刺激になり、毛が濃くなるといいます。
ですが皮膚への刺激が育毛に繋がるとはいえません。
ひと昔前の育毛といえば、ブラシの束で頭皮をトントンと叩いて刺激し、血行促進していました。ですが、現在ではこの方法に育毛効果はないとされています。
むしろ頭皮を傷つけ痛めるため、薄毛の原因にすらなる可能性があります。
同様に、カミソリの頭皮への刺激も、育毛効果はないと考えていいでしょう。
ですが、マウスの実験では一定の効果が現れることもあるようです。
毛を剃ると濃くなるか試した2つの実験
毛を剃っても濃くならない、そう紹介しました。
ですが、実は毛を剃ることで濃くなったという実験データも存在するのです。
順天堂大学がマウスを使って、体毛を剃ることで濃くなるのか確かめる実験を行いました。
1週間の間、電気カミソリでマウスの体毛を剃り続け、その変化を観察したのです。その結果、体毛が一時的に5~10%太くなったのです。
これは皮膚を守る「防御反応」のひとつと考えられています。
「やった!薄毛を予防するために髪を剃ろう!!」
と、考えちゃう人もいるかもしれませんが、ちょっとまってください。
これはあくまでもマウスを使った実験です。
人間がカミソリを使った程度の刺激では、それほどの効果はないようです。
実際に人間を対象にした「剃ったら体毛が濃くなるか実験」の結果を紹介します。
その実験では5人の丹精に対して、足の片方の毛だけを剃り続けてもらいました。
その結果、剃った方の足の体毛は濃くなることもありませんでしたし、体毛の直径が太くなることもありませんでした。
これと類似する事件が何度か行われましたが、結局のところ「剃っても毛は濃くならない」という結果は一致しています。
マウスの実験だけ見て「剃ったら濃くなるかも!?」なんて実践してはいけません。
それに、防御反応が起きるほど強く頭皮を刺激したとしたら、髪の毛が太くなる前に頭皮が傷ついて薄毛になってしまうかも知れませんし。
「髪の毛が濃くなるかもしれない」と必要以上に頭皮を刺激するのは、止めておいた方がよさそうですね。
やっぱり髪の毛は剃ってはいけない!
髪の毛や体毛は、剃ると毛の断面が太く見えて、濃くなったような気がするだけ。
剃ると濃くなるというのは、完全に気のせいという事になります。
一応、マウスの実験では「剃ると一時的に濃くなる」という結果が出たものの、人間にそのまま当てはめるのは不適当です。
普通にカミソリを使った程度の刺激では濃くなりません。
髪の毛を生やすために剃る、という行為はまったくの無意味なので止めておいた方が良いでしょう。
そもそも髪の毛は毛根の奥にある”毛球”の毛乳頭が細胞分裂して作られます。
髪の毛を剃っても、毛球には何の影響もないのは明らか。
それどころか、逆効果の可能性すらあります。
髪の毛は頭皮を保護するという役割も持っています。もし、頭髪を全部剃ってしまったら、紫外線がダイレクトに頭皮に当たってしまい、毛根のダメージになってしまいます。
特に日差しの強い真夏だとしたら、数時間屋外にいるだけでも軽い火傷のような状態になってしまう可能性だってあります。
髪の毛や頭皮のためにも、髪を剃るのは止めておきましょう!
肌を傷つけない体毛の剃り方のコツ
- 剃る前に肌を清潔にして水分を除去する
- シェービングフォームなどをたっぷり使う
- 毛の流れに沿って力を入れずに剃る
- なんども同じ場所を剃らない
- 同じカミソリを使い続けない
ハゲるのが嫌で髪の毛を剃った体験談
育毛のために髪を剃るのはまったく意味がない!!
…と言っておきながら、私自身も昔、薄毛になるのが嫌でカミソリで少しだけ髪の毛を剃ったことがあります。
わたしは小学生の頃から「将来ハゲるかも??」と悩んでいました。
あれは私がマジメで純朴な中学生の頃のこと。
おでこが広くて将来ハゲるのが不安だったのですが、特に生え際の両端が薄くなってきているような気がしていました。
それが嫌で生え際の両端をカミソリで剃ってみたのですが…普通にガラの悪いヤンキーが剃り込みを入れた感じになりました。
しかも頭皮の剃った部分はヒリヒリして痛いし。
べつに育毛になった感じはしないし。
友達に「剃ってる?」って言われるし。
体験談的にも髪を剃るのはまったく意味がないので止めておいた方がイイと思います。
それよりも、しっかりと頭皮マッサージをする方が遥かにマシですし、頭皮に優しいのではないでしょうか。