しっかりと1日3食バランスを考えて食べているのに栄養失調になってしまう。
これを「新型栄養失調」や「隠れ栄養失調」と呼びます。
新型栄養失調になると、風邪をひきやすくなったり、様々な体調不良の原因になります。また、新型栄養失調は抜け毛の増加や薄毛の原因にもなってしまういます。
「自分ではちゃんと食事に気を使っているつもりなのに…」
ちゃんと食事をしている”つもり”でも、倦怠感が続いたりやる気が低下したり、シャンプーのときに抜け毛が増えている場合は、新型栄養失調かもしれません。
十分に食事を摂っているのに、なぜ栄養が足りていない状態になってしまうのでしょうか?
新型栄養失調とは?
新型栄養失調とは摂取カロリーは十分なのに、ビタミン・ミネラル・タンパク質などの必須な栄養素の一部が不足している状態を指します。
戦前の食糧不足の時期であれば栄養失調に陥ってしまう人はたくさんいましたが、今では食料品が溢れていてひもじい思いをしている人はほどんどいません。
ですが、偏った食事が原因で一部の栄養素が決定的に不足してしまうことがあるのです。
新型栄養失調が引き起こされる原因として考えられる要因はたくさんあります。
例えば加齢によって歯をなくしてしまった方は、柔らかい食べ物を好むようになり、その結果として栄養が偏ってしまいます。
忙しくてファストフードや外食が食生活のメインになっている方も注意が必要。
ハンバーガーやフライドポテトなどのジャンクフードは高カロリーで満腹感は得られるものの、ビタミンやミネラルなどの栄養素は多く含まれていません。
わかりやすいのが、ファーストフードばっかり食べるような、ジャンクフード中心の食生活ですね。
この様な食生活では、カロリーは十分でもビタミン・ミネラルが不足してしまいます。
また、女性に多いやり方の間違ったダイエットも新型栄養失調を引き起こす原因になります。
例えばある特定の食品だけを摂取するというような、極端な食事制限。栄養素はたくさんの品目から摂取するのがもっとも健康的。
○○食べるだけダイエット!!
なんてのは、止めておいた方がいいですね。
サラダをメインに食べて糖質をまったく食べない、そんな糖質制限ダイエットも注意が必要です。
バランスの良い食事をしても栄養失調になってしまう意外な原因とは?
しかし最近問題になっている「隠れ栄養失調」は、そんな”いかにも”な身体に悪い食生活ではなく、きちんとバランスのとれた食生活を送っているのに栄養失調に陥ってしまうというもの。
朝は栄養バランスのとれたシリアルとヨーグルト。
昼はいろんな食材の入ったコンビニの弁当。
夜は野菜や魚を中心とした和食。
そんな一見健康的な生活が、隠れ栄養失調を引き起こす原因になることがあります。
ポイントは動物性タンパク質の不足。
ビタミン・ミネラルは十分でも、動物性タンパク質が不足していると、たくさんの弊害が現れます。
動物性タンパク質は筋肉や血液、内臓、皮膚、爪、髪の毛を作る原料になる大切な栄養素です。私たちの身体は常に新陳代謝を繰り返し、毎日新しい細胞が生まれていきます。その最も根源となる栄養素がたんぱく質なのです。
もしたんぱく質が決定的に不足したら?
短期間であればそれほどの影響がないかもしれませんが、ず~っと動物性たんぱく質が不足していたら健康的な身体を維持することが出来なくなってしまうでしょう。
特に女性や高齢者はその影響を受けやすいので注意が必要。
では、隠れ栄養失調にならないための有効な対策とは、どのようなものでしょうか?
新型栄養失調(隠れ栄養失調)の対策とは?
ジャガイモや大豆製品に含まれる植物性タンパク質も重要ですが、血肉を作るのに効果的なのは動物性タンパク質です。
魚を中心とした食生活はヘルシーで健康的ですが、動物性タンパク質の面から見るとあまりよくありません。
隠れ栄養失調を予防するには、魚や鳥の胸肉ではなく、豚肉や牛肉をガッツリと食べる必要があります。
その点で見ると、魚中心の和食は動物性タンパク質不足に陥りやすいといえます。
たしかに魚の油は健康に良いのですが、すぐにエネルギーになりにくいという特徴を持っています。ですが、豚肉や牛肉の脂身は食べてすぐにエネルギーになります。赤身と脂肪を同時に摂取することで、効率的に血肉となる動物性タンパク質を摂取することができるのです。
しっかりと肉を食べる!
人間の生命維持に欠かせない三大栄養素は「炭水化物・タンパク質・脂質」です。
魚中心の食生活は、その中でもタンパク質と脂質が不足してしまう可能性があります。
もちろん、少しくらい不足しても薄毛や体調不良の原因になるとは限りません。ですが、女性の場合、男性よりも3大栄養素の不足の影響が出やすいです。
隠れ栄養失調を防ぐための対策は、とてもシンプルです。
つまり、しっかりと”肉”を食べることです。
タンパク質の1日の摂取量の目安は、男性は植物性タンパク質35g、動物性タンパク質35gの合計70gで、女性は植物性タンパク質30gと動物性タンパク質30gの合計60gです。
動物性タンパク質30gは牛肉にすると250~300gくらい。これを毎日食べる必要があるのです。(けっこうな量がありますよね!)
また、中高年になると胃腸の機能が低下してたんぱく質の摂取効率が下がります。
特に高齢者は肉を避ける傾向がありますが、これは絶対にダメ!!
高齢者はせっかく肉を食べても、たんぱく質の摂取効率が下がっているのでうまく消化吸収されません。
つまり、若いころよりも積極的に肉を食べる必要があるのです。
実際、肉を多く食べている高齢者の方が健康寿命が長いという研究結果もあります。
特に女性と高齢者は、健康的な髪の毛を維持するためにも、意識して肉を食べるように心がけましょう。
髪の毛を作りだす最も大切な栄養素はタンパク質
育毛に有効な栄養素としてポピュラーなのが亜鉛やビタミンB群などです。
その他にもワカメや昆布などの海藻が髪の毛にいいとか、ブロッコリースプラウトが髪の毛にいいとか、カボチャの種がいいとか…いろんな髪の毛に良い食べ物がありますが、最も大切なのは髪の毛の直接的な原料になるタンパク質です。
薄毛を予防するには、脂身のついた牛肉や豚肉をしっかりと食べることが大事なんですね。
オススメ記事:発毛と育毛に効果的な食べ物まとめ
もちろん何事もバランスが大事です。
肉がいいからと言って、それだけたくさん食べるのはNG。
魚を食べるのが健康に良いからといって、それだけになってしまうのも逆効果。
ちゃんと牛肉や豚肉、魚を食べ、野菜や果物をしっかりと食べることで、健康的な髪の毛が生えてくるのです。
特に女性はダイエットを気にして肉や脂身を避ける傾向があります。もしダイエットするなら、炭水化物の摂取量を少し下げて、その分動物性タンパク質と脂質を摂取しましょう。
そうすれば、隠れ栄養失調を予防することができますし、抜け毛が増えることもなくなります。
育毛にとって動物性たんぱく質はとても大切です。
牛肉や豚肉は、ちょっと前までは”太る食材”としてダイエット中には避けられる傾向にありました。ですが、今では「太るのはたんぱく質ではなく炭水化物」というい意見が主流になっていて、肉はむしろ太りにくいヘルシーな食材として見直されています。
もちろん、この意見をうのみにして炭水化物を抜いていると、それはそれで健康を害する原因になります。
栄養はたくさんの品目からバランスよく摂取するのが一番。
その中でも特に肉を意識してしっかり食べれば、抜け毛を防ぎ、健康的な髪の毛を作りだすことが出来るでしょう。
*基本的な栄養素は食事から摂取するのが基本ですが、もし食生活を整えるのが難しくて栄養が偏りがちと自覚しているのなら、髪の毛に良い栄養素が詰まった専用のサプリメントをサポートとして使うのも有効です。