脱毛には「成長期脱毛」と「休止期脱毛」の2種類が存在します。
今回はその中でも「休止期脱毛」について、その特徴や原因、解決策などを詳しく解説します。
休止期脱毛症とは?
休止期脱毛とは、その言葉通り「休止期に髪の毛が抜ける」事を指します。
髪の毛には成長して抜け落ちるまでのヘアサイクルがあり、「成長期→退行期→休止期」を繰り返しています。
(ヘアサイクルについて詳しくはこちらで解説しています→ヘアサイクルとは?休止期や成長期の仕組みをわかりやすく解説!!)
成長期に髪の毛が伸びて、退行期に髪の成長が止まり、休止期に髪の毛が抜けます。
健康なヘアサイクルを持った普通の髪の毛は、休止期に髪の毛が抜けているわけですね。
つまり休止期脱毛とは、通常のヘアサイクルの一環で髪の毛が抜けることを指しているのです。
ですが、何らかの要因で休止期脱毛が異常に増えてしまい、それによって薄毛になる場合もあります。このような休止期の脱毛による薄毛を「休止期脱毛症」と呼びます。
休止期脱毛症の症状の特徴
休止期に脱毛するという意味では、AGA(男性型脱毛症)も休止期脱毛症の一種と呼べます。
女性に多いびまん性脱毛症もや、出産後に髪の毛が抜ける産後脱毛も休止期脱毛症のひとつです。
その他にも栄養不足やストレスによって引き起こされる脱毛も休止期脱毛症です。
休止期脱毛症はさまざまな原因の薄毛・脱毛を内包しているといっていいでしょう。
AGA(男性型脱毛症)はおでこや頭頂部から薄くなっていきますが、それ以外の休止期脱毛症は頭髪全体が薄くなっていくパターンがほとんどです。
とはいえ、薄毛の範囲が頭皮全体ではなく一部分に偏って発現する場合もあります。重症の休止期脱毛の場合、頭髪だけでなく眉毛なども抜けてしまう場合も!
しかし、ほとんどの休止期脱毛症は、自然とまた髪の毛が生えてくることが多いようです。
おすすめ記事:女性に多いびまん性脱毛症の特徴と効果的な対策!!
休止期脱毛の原因
休止期脱毛症は様々な原因で発生します。
- AGA(男性型脱毛症)→男性ホルモン
- びまん性脱毛症→加齢や女性ホルモンのバランスの崩れ
- 産後脱毛→出産の影響によるホルモンバランスの崩れ
男性のおでこや頭頂部から薄くなるハゲも休止期脱毛の一種。女性は妊娠すると体内のホルモンバランスが大きく変化しますが、その影響で起きる「産後脱毛」も休止期脱毛なんですね。
これらの薄毛はその原因が明確ですが、それ以外の休止期脱毛症の要因を紹介します。
- 急激なダイエット
- 過剰なストレス
- 服用している薬の副作用(抗うつ薬・抗凝固薬・抗甲状腺薬など)
- ワクチン接種
- 自動車事故などの外傷によるショック
- 重金属のような毒素
ダイエットやストレスは毛包にダメージを与えるので、抜け毛が多くなるのはなんとなくわかります。ですが、ワクチン接種や激しい怪我なんかの”外的ショック”でも休止期脱毛が増えてしまうことがあるようです。
こういった環境由来の休止期脱毛は、環境が安定すれば自然と元に戻るようです。
薬品による休止期脱毛も一時的なもので、服用を中止すれば再び髪の毛は生えてきます。
このように休止期脱毛にはいろんな原因がありますが、もっとも多い原因は「慢性ストレス」と「栄養不足」です。
これらの要因が休止期脱毛を引き起こすことは、動物を使った実験でも確認されています。
休止期脱毛症を改善するには
休止期脱毛を改善するには、その原因を特定することが大事です。
原因がわかれば、おのずと解決策も見えてきます。
ストレスが原因であれば、そのストレスを除去するように対策を立てる。環境を変えたり、変えるのが無理であれば、適切にストレス解消を行います。
ストレスレベルを下げるためには、瞑想やヨガ、軽い運動などが効果的であることが科学的に証明されています。
映画やゲーム、漫画など、趣味の没頭するのも良いですし、「しっかりと睡眠をとる」という方法もシンプルながらとても効果的です。
栄養不足が原因であれば、ちゃんとした食生活を送るよう心がけます。
健康な毛髪を作り出すには、ビタミン・ミネラル・たんぱく質などをバランスよく摂取する必要があります。
ジャンクフードが多くてバランスを欠いた食生活や、過剰なダイエットをしていると、その栄養素のひとつが徹底的に不足してしまう可能性があります。
そうなると、毛包に悪影響を与え、休止期脱毛を引き起こしてしまうでしょう。
特に女性は鉄分が不足しがち。亜鉛、必須アミノ酸、ビタミンB群なども欠如すると休止期脱毛を引き起こすといわれています。
もし食生活を急に改善するのが難しい場合には、栄養補助食品やサプリメントを服用するのも有効です。食事内容を変えるよりも簡単でお金もかからないでしょう。
外傷によるショックや、出産後の休止期脱毛であれば、しばらくすれば自然と治り、再び髪の毛が生えてくるケースがほどんど。気になるようであれば、市販の育毛剤を補助的に使うのもアリです。
休止期脱毛症はその原因を取り除けば、自然と髪の毛は生えてきます。
しかし半年以上経過しても、まったく薄毛が改善しない場合は「慢性休止期脱毛症」になっている可能性もあります。
その場合、薄毛が長期化する恐れもあるので、皮膚科や育毛クリニックで専門家に相談することをオススメします。
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