育毛対策

育毛効果がある正しい頭皮マッサージとは!?花王の研究が導き出した意外な方法を紹介!

2016年7月5日

花王のヘアケア研究所が「地肌マッサージの頭皮への作用」という論文を発表しています。

その研究では、頭皮マッサージが頭皮に与える影響を計測するとともに、もっとも効果的な頭皮マッサージについても紹介しています。

その研究内容をかいつまんで紹介したいと思います。

4種類の頭皮マッサージ方法と、その効果のランキング

マッサージとは手などを使って皮膚や筋肉に物理的な力をかけ、それによって末梢神経の拡張や筋緊張の緩和などの行う治療方法のこと。

その生理的作用はさまざまな実験で証明されているけど、頭皮マッサージに限っていて場、その効果を本格的に計測する実験は行われていませんでした。

そこで花王のヘアケア研究所が、頭皮マッサージの効果について実験してみたわけです。

今回の実験では4種類の基本的なマッサージ手法が、比較検証されました。

①揉捏法(じゅうねつほう)

頭皮に指先を押し当てて、円を描くようにゆっくりと回転させるマッサージ。回転の周期は1秒間に1回転。

②圧迫法

指の腹を頭皮に垂直に当て、動かさずに約3kgの荷重で強く押し、その後にゆっくりと力を緩める。この繰り返しによるマッサージ。

③強擦法

頭皮に押し当てた指先に約1.5kgの加重を加えて、指先を往復させて動かすマッサージ。

④軽擦法

強擦法と動きは同じだけど、ほとんど力を入れない、かるくさする程度のマッサージ。

 

この4種類のマッサージ法を試してみて、どれくらい血流が増加するのか?それぞれのマッサージ法に違いはあるのか?について検証しました。

その結果はかなり面白いものでした。

意外な結果!?頭皮に効果的なマッサージランキング

まずは頭皮の前に”腕”をマッサージする場合。

腕のマッサージで一番血流が増加して効果的だったのは「強擦法」でした。

揉捏法・圧迫法・軽擦法については、ほとんど血流が増加は認められないという結果。腕をマッサージする場合は強擦法以外はあまり意味がないようです。

では次に頭皮へのマッサージです。

有効な頭皮マッサージ法ランキング

1位:圧迫法

2位:強擦法

3位:揉捏法

4位:軽擦法

なんと、頭皮に限っては指を動かさないで圧迫するだけの「圧迫法」が一番血行促進効果があるマッサージ法となりました。こすらずに動かさないほうが、毛根を傷つける可能性も低いでしょうね。

次は強擦法で、僅差で揉捏法が続きます。実験の結果、軽擦法はほとんど血流増加の効果は見られませんでした。

 

これらの結果を踏まえて、花王のヘアケア研究所が導き出した最も効果的な頭皮マッサージ法を紹介します。

効果にびっくり!正しい頭皮マッサージのやり方!

論文で紹介されている頭皮マッサージは、頭皮の血行促進効果が高い「圧迫法」と「強擦法」をメインに、頭皮を揉み解す「揉捏法」を加えたバランスの良いマッサージ法となっています。

このマッサージを行えば、施術前と比べて約20%血流が増加し、頭皮が動きやすくなることが実証されています。

そのやり方を、論文の画像と共に紹介しましょう。

頭皮マッサージは手順8まであり、全体を通して3分程度で行える内容になっています。

正しい頭皮マッサージの手順を順番に紹介

びっくりしますが、手順1は耳のマッサージから始まります。

その後、肩を強擦法でマッサージ。手順3でまたまた耳のマッサージに戻ります。

頭皮マッサージ1

画像参照:地肌マッサージの頭皮への作用

手順4はやっと頭皮マッサージに。圧迫法と揉捏法を組み合わせたマッサージ法ですね。

手順5は前頭部から頭頂部にかけて丁寧に強擦法を行います。その後、頭部の中心線に沿って揉捏法。薄毛に効くツボである百会もしっかりと刺激してます。

手順6は手グシですね。ちょっと強めに前頭部から後頭部にかけて、指先を移動させます。

頭皮マッサージ2

画像参照:地肌マッサージの頭皮への作用

手順7は指先で軽くトントンと頭皮をたたいて刺激。実験には出ていませんが、叩打法(こうだほう)というマッサージ法になります。

最後の手順8は首筋に指を置いて、ゆっくりとアゴをあげる。なんだか肩こりにも効きそうですね。

頭皮マッサージ3

画像参照:地肌マッサージの頭皮への作用

最後に深呼吸して終了。なんだか、頭皮がポカポカとしてきた気がしませんか?

1日1回でいいので継続することで、頭皮の血行がよくなり、柔らかくもなるでしょう。

マッサージで頭皮の血行が良くなる理由

なぜ、マッサージで血流が増加するのでしょうか?

論文ではこのように説明しています。

皮膚血管に取り巻くように近接する知覚神経が物理適応力を受けた際に、中枢に向けて求心性に触覚を伝えると同時に、局所反射としてカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)などの血管拡張性の神経ペプチドを放出し、血管平滑筋を拡張させる結果、皮膚血流量の上昇として観測されるものと推察される。

専門用語がバンバン出ててよくわからないけど、マッサージが有効であることが納得できちゃいますね。(権威に弱い…)

また研究では、あくまでも推測の域を出ないのですが”気持ちよさ”というファクターも、頭皮マッサージにとってとても重要かもしれないとしています。

気持ちいいと感じるマッサージの強さは人それぞれ。それを計測するのはとても難しいけれど、気持ちいという強さでマッサージしたほうが副交感神経が刺激されて血行促進効果が高まるかもしれない。逆にマッサージが強すぎて不快に感じたとしたら、交感神経が刺激されて頭皮の血管が収縮し、血流が低下してしまうかもしれない、としています。

実験では3kgや1.5kgと、マッサージの加圧する強さを決めていましたが、自分が気持ちいいと思える強さのマッサージを行うのが一番なようですね。

 

詳しい実験結果やマッサージ法については、下記の論文を読んでみてください。

参考文献:地肌マッサージの頭皮への作用(花王株式会社ヘアケア研究所)

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