最近は男性だけではなく薄毛に悩む女性も増え、育毛市場は拡大を続けています。そんな中、まったく新しい発毛技術の開発が盛んにおこなわれています。
その中でも最も進んでいると思われるのが「資生堂の自家細胞移植技術」と「理研の器官再生技術」です。
理研は薄毛治療の新技術を京セラとの共同研究していて、早急な実用化を目指しています。
資生堂も自家細胞移植技術の臨床実験を開始しました。
今まさに薄毛治療法を巡り、熾烈な技術開発競争が勃発しているのです!
その戦況はどうなのでしょうか?
理研と京セラの器官再生技術の実用化はいつ頃!?
加齢に伴って薄毛になる男性型脱毛症などの患者のため、理化学研究所と京セラなどは12日、再生医療の技術を駆使した治療法の共同研究を始めると発表した。
研究計画では、毛髪が残ることが多い患者の後頭部から、頭皮を採取。毛包になる2種類の幹細胞を取り出して、それぞれ100~1000倍に培養後、両方を合わせて毛包のもとをつくる。これらを頭部に移植することで、毛包に成長することを期待している。
参照元:薄毛治療、器官再生で…理研と京セラ共同研究(読売オンライン)
毛包は頭皮の奥にある、髪の毛を生み出す工場のようなもの。これを培養して移植する技術を理研が、その工程や大量生産については京セラが担当して実用化を目指すようです。
「2種類の幹細胞から毛包を作り出す」とありますね。
2016年2月、横浜国立大学が毛包培養に成功したと発表しました。マウスを使った実験で、2種類の幹細胞を混ぜて毛包に似た器官の培養に成功したというのですが、その技術を使っているのかもしれません。
毛包は上皮性毛包、硝子膜、結合組織毛包からなる、けっこう複雑な器官です。もし、毛包細胞の培養と移植が実用化したとしたら、薄毛治療以外にも様々な応用が利く技術となるかもしれませんね。
この技術は2020年に実用化を目指しているとの発表しています。
動物での臨床試験が開始される
2018年6月5日に、理研科学研究所が毛包を大量に作る技術を開発し、7月から動物を使った安全性の試験を開始するという報道がされました。
20日ほどで5,000個の毛包(髪の毛1万本分)を作り出せるとのこと。
実用化されれば、今までの薄毛治療や育毛剤などが必要なくなるかもしれませんね。
資生堂の自家細胞移植技術の実用化はいつ頃!?
対して資生堂の薄毛治療技術は、毛包の中にある「底部毛根鞘細胞」という細胞を利用するもの。
健康な底部毛根鞘細胞を採取して培養、その後薄毛部分に注入することで発毛効果を得ます。
この技術はすでに人間を対象にした臨床実験を行う段階に来ているので、その実用性や安全性はかなり進んでいるでしょう。
資生堂は2018年には実用化を目指しているみたいです。
近い将来、育毛剤がなくなる!?
理研と京セラの器官再生技術の方はは2020年に実用化を目指しています。
資生堂の自家細胞移植技術は2018年までには実用化を目指しています。
器官再生技術については、動物での安全性の試験が始まっているようです。
対して資生堂の自家細胞移植技術については、2018年実用化を目指すといっているわりにニュースがなく、どれほど研究が進んでいるのか不明のまま。
どちらにせよ、もうすぐ植毛ではない、まったく新しい薄毛治療方法が実用化されるかもしれません。
その施術費用は最初は高額になると思いますが、もし広く普及して安く簡単に行えるようになったら…?
近い将来、この世の中から効果の不明瞭な育毛剤や怪しげな育毛グッズが淘汰され、なくなってしまう可能性もありますね。
早く確実で安い薄毛治療法が確立されて欲しいものです。