iPS細胞やES細胞を利用した「再生医療」が、急速に発展しています。
再生医療とは、欠損した組織や臓器を、いろんな細胞に変化できる”幹細胞”でもって代わりを作って治療しようという医療技術です。
育毛業界でも再生医療を利用した発毛技術は、いますごく研究されています。
そんな中、幹細胞を使って毛乳頭細胞を作り、発毛に成功したという研究発表がなされました。
頭髪毛乳頭細胞が無限に作り出せる!?
米露の共同研究チームが、あらゆる種類の細胞に分化する能力を持つヒトの「幹細胞」を使って、毛髪を生やすことに成功したと29日までに発表した。その成果は米科学誌プロスワンに掲載された。幹細胞を毛髪を生やす「頭髪毛乳頭細胞」に分化させ、マウスに移植し、ヒトの毛髪の生成を確認した。
テレスキフ助教授は「この方法だと、患者のための頭髪毛乳頭細胞を実験室で無限に作り出すことができる」と述べた。
SankeiBiz 2015.1.30「薄毛治療に期待!幹細胞で毛髪生成 米露研究チーム、今後臨床実験」より抜粋
頭髪毛乳頭細胞は発毛シグナルを発するという、育毛とってにとても大切な役割を持っています。
それは言うなれば、監督というか、リーダーというか、とにかく育毛システムの指令を出すボス的存在なのです。
毛乳頭細胞の命令でもって、母細胞や内毛根鞘細胞が活性化して発毛が促進します。
もし毛乳頭細胞の元気がなければ、発毛シグナルが発せられずに育毛サイクルが乱れて、次第に薄毛になっていくでしょう。毛乳頭細胞の不活性は、白髪や髪質の劣化も引き起こします。
まだまだマウスでの実験段階ですが、幹細胞をつかって毛乳頭細胞を作り、それをマウスに移植したところ発毛が確認されたとの事。人間でも、幹細胞から作られた毛乳頭細胞を薄毛の部分に移植すれば、ちゃんと発毛するという事になるでしょう。
これから人体を使った臨床試験を行うそうです。早く実用化出来ればいいですね。
幹細胞からつくられた毛乳頭細胞は大量に安価で作れるらしく、ひょっとしたら実用化後に、広く一般に普及するかもしれません。