日本皮膚科学会や厚生労働省がその育毛効果を認めている、数少ない育毛成分のひとつに塩化カルプロニウムがあります。
今回は、塩化カルプロニウムの育毛効果と副作用について簡潔にご説明します。
塩化カルプロニウムの育毛作用
日本皮膚科学会のAGAガイドラインより
日本皮膚科学会の男性型脱毛症ガイドラインによると、塩化カルプロニウムの発毛効果については「用いてもよい」という評価になっています。
その根拠となる論文において、塩化カルプロニウム外用薬が6例中4例の発毛効果があるとわかりました。
また、塩化カルプロニウム1%と生薬を主成分とする育毛剤カロヤンアポジカの臨床実験では、12週間の使用で「有効以上の発毛効果が20%」「やや有効以上が60%」という結果に。
さらに塩化カルプロニウム2%+生薬の育毛剤の場合、24週間の仕様で改善率が男性26.7%、女性54.5%となりました。軽度の改善であれば男性89.3%、女性90.9%という高い結果に。
塩化カルプロニウム単独での発毛効果については、まだまだ十分な検証がされていないけれど、育毛効果のある生薬と一緒に使うことで一定の発毛効果があるということですね。
「生薬との合剤をふくむわが国での膨大な診療実績を考量し、外用治療法の一つとして推奨することにする」
と日本皮膚科学会が結論付けています。
臨床実験の結果を見る限り、塩化カルプロニウムは特に女性の薄毛に有効に作用しそうですね。
塩化カルプロニウムの厚生労働省の見解
塩化カルプロニウムの発毛効果は、厚生労働省も認めています。以下はその説明文です。
塩化カルプロニウム液は,本剤の局所血管拡張作用を円形脱毛症をはじめ各種脱毛症における脱毛防止,発毛促進および乾性脂漏,尋常性白斑の治療に応用した局所用薬剤である。また、発毛促進作用を有し、機能低下状態にある毛嚢に作用して,発毛を促進する。
塩化カルプロニウムには発毛促進作用があると、しっかりと明記されていますね。
しかもその効果は、多岐にわたる薄毛原因に効きそうです。
塩化カルプロニウムの副作用
塩化カルプロニウムは用法容量を守ればとても安全に使用できますが、まれに副作用が現れる場合もあります。
特に注意したいのが、頭皮が敏感肌な方や高齢の方です。
塩化カルプロニウムの使用後に頭皮が赤くかぶれたり、痒みを伴うばあいがあります。
全身が発汗したり、悪寒や嘔吐を伴うこともあるようなので、そういった症状が現れた場合は、ただちに使用を中断して近くの医師の診察を受けましょう。
塩化カルプロニウムのまとめ
塩化カルプロニウムは生薬と一緒に使うことで、その発毛作用が強まります。特に女性のほうが発毛効果が強そうですね。
塩化カルプロニウム配合の育毛剤でオススメなのは、有名な第一三共のカロヤン・シリーズです。ネットでも購入できますが、お近くの薬局でも売っているでしょう。