ハゲの雑学

抗がん剤や放射線治療で脱毛したり薄毛になる理由とは?

2016年2月29日

よくドラマで白血病になってしまった少女が、ドッサリと髪の毛が抜けてしまいショックを受けてしまうシーンがあります。

この場合に髪の毛が抜ける理由は、血液のがんと言われる白血病の治療に使われる”抗がん剤”にあります。

がん細胞を攻撃するはずの抗がん剤の影響で、なぜ髪が抜けてしまうのでしょうか?

それは、がん細胞と毛母細胞にある共通点があるからなのです。

抗がん剤で髪の毛が抜ける理由

がんの治療で使われる抗がん剤や放射線治療で、脱毛が起きてしまう場合があります。これは髪の毛だけではなく、まゆ毛や体毛など、全身の毛に影響が出る可能性があります。

 

そもそもがん(悪性腫瘍)は、細胞分裂の過程で起こったエラーが原因で、突然変異を起こした異常な細胞です。

通常の健康な細胞なら、生涯の細胞分裂回数がテロメアによって決定づけられています。ですが、がん細胞はその機能が壊れているため、異常な速度で制限なく増殖を続けます。その為、外科手術で摘出しても、細胞がひと粒でも残っていると、そこから増殖してしまい再発の危険があるのです。

抗がん剤や放射線治療は「すさまじいスピードで増殖する細胞」を攻撃するという特徴があります。この特徴によって、健康な細胞ではなく、がん細胞だけをピンポイントで死滅させることが出来るのです。

 

「すさまじいスピードで増殖する細胞への攻撃」

実は髪の毛というのは、身体の中でももっとも活発に細胞分裂を繰り返している器官です。

髪の毛は1日平均0.35mm、1か月で約1cmも伸びます。

頭髪は平均10万本あると言われています。

0.35mm×10万本=??

単純計算ですが、もし1本の髪の毛に換算したら、1日当たり35メートルも髪の毛は伸びている計算になります。

毛母細胞は毎日すさまじいスピードで細胞分裂を繰り返し、髪の毛を作っています。それゆえに、抗がん剤などの影響を受けてしまう。

抗がん剤の攻撃を受けた毛根の影響で、髪の毛は抜け落ちてしまうわけです。

抗がん剤で脱毛した髪の毛は戻ってこないの?

抗がん剤や放射線治療で脱毛した場合でも、毛根まで死滅しているわけではありません。

個人差はあるものの、治療が終われば、再び髪の毛は生えてきます。育毛剤や育毛シャンプーを使ったりする必要はありません。

抗がん剤治療による脱毛対策

抗がん剤治療を行う際に、脱毛の予防の為に頭皮を冷やす方法があります。冷やすことによって、故意に頭皮の血流を悪くします。そうすることで、血液の中にある抗がん剤の影響を緩和しようという方法です。

ですが、その効果は限定的。もし行う場合は、主治医と相談してから決めるべきでしょう。

やはり、最も効果的なのは、カツラやウィッグを使う事。

即効性があり確実です。抗がん剤治療中のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めてくれるはずです。

 

髪の毛は体中の細胞の中でも、最も早いスピードで分裂を続けています。それゆえに抗がん剤のターゲットにされてしまうわけですね。ですが、毛根が死んでいるわけではないので、治療が終われば必ず生えてきます。育毛剤などで対策する必要もないでしょう。

薬による脱毛は、AGA(男性型脱毛症)やびまん性脱毛症とは、脱毛の理由が根本的に違っているというわけですね。

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